- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県東松山市
- 広報紙名 : 広報ひがしまつやま 2025年9月号No.1151
■東松山市指定考古資料「阿弥陀一尊板石塔婆(あみだいっそんいたいしとうば) 」「阿弥陀三尊(さんぞん)板石塔婆」「仁治(にんじ)二年の板石塔婆」
板石塔婆=板碑とは、鎌倉時代から戦国時代を中心に流行した供養塔の一種です。市内では、1039基確認されています(令和7年現在)。
○「阿弥陀一尊板石塔婆」
刻まれた年号は上半分が磨滅(まめつ)して「七月日」だけしか読み取れませんが、かすかに「寛」の字が読み取れることと、そのほかの文字から寛喜元年(1229年)と推測されます。寛喜元年だとすると、国内最古の板碑とされる嘉禄3年(1227年)銘の板碑(熊谷市)のわずか2年後に造立されたことになります。
○「阿弥陀三尊板石塔婆」
阿弥陀如来像は上半身が欠損していますが、造立初期の板碑の特徴である臼型の蓮台の上に立っていて、古い板碑だと分かります。
○「仁治二年の板石塔婆」
仁治二年(1241年)と刻まれており、市内で二番目に古い板碑の一つです。
これらは、令和元年東日本台風の被害を受けてしまいましたが、元々、所有者が台座に固定して覆い屋をかけるなど大切に保存していたこともあり、実害はありませんでした。
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