- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県狭山市
- 広報紙名 : 広報さやま 2025年10月号
狭山市には現在、約700戸の空き家があり、今後もその数は増加すると予想されています。空き家は、放置される期間が長くなるほど老朽化や損傷が進み、活用が難しくなるだけではなく、倒壊や治安の悪化などの原因になります。これから空き家になる可能性のある住宅や、すでに空き家を所有している方は家族や親族と話し合い、これからのことを考えてみませんか?
【1】空き家を放置すると家主にも近隣にもリスクがあります
◇老朽化
外壁の一部が落下すると通行人や近隣の家屋に損害を与え、損害賠償責任を問われる可能性も
◇衛生面・景観の悪化
ごみの不法投棄などにより、悪臭や害虫が発生します。また、草木が道路や近隣の住宅にはみ出すと、近隣や付近を通行する方に被害が生じる原因となることもあります
◇治安の悪化
不法侵入者の出入りや放火をされるリスクなど、犯罪が起こりやすい環境を生み出します
【2】空き家になる前の事前の準備が大切です
◇今後について話し合う
空き家が発生する主な原因は相続によるものです。親族間でしっかりと話し合い、事前に「誰が住むのか」「売るのか貸すのか」「解体するのか」などを決めておくことが大切です。
対策:遺言書の作成、生前贈与、エンディングノートの活用など
◇相続おしかけ講座
行政書士や司法書士の講師が分かりやすく相続に対する「備え」を対話形式で説明する講座です。高齢者向けのサロンや自治会の集会などで開催しています。
申込み:申込書に必要事項を記入し、希望日の1カ月前までに市街地整備課へ
【電話】2941-6839
◇家財の整理
空き家を長時間放置してしまう原因の一つに「家の中に荷物が残っていること」があります。住まなくなってから家財を整理しようとすると、遺品の整理や大型家具の処分・移動など、多くの手間と時間が必要になります。元気なうちから少しずつ荷物を整理しておくことで、将来の負担を軽減できるだけでなく、空き家の発生を防ぐことにもつながります。
【3】もし空き家になってしまったら?
◇管理
定期的に換気や清掃、草木の手入れをしましょう。遠方に住んでいるなど自ら管理することが難しい場合は、管理サービスに依頼しましょう
◇賃貸・売却
まずは、不動産業者に相談しましょう。また、居住用か事業用かなど、どのような用途で貸すのかも検討しましょう
◇解体
解体して、跡地を駐車場や新しい建物にするなど土地を活用する方法があります。市では、空き家の解体費の一部を補助しています
■特定空家等に認定される場合も
空き家を放置することにより周辺に悪影響を及ぼすとみなされる場合は「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいて、市が「特定空家等」に認定し、改善のために指導を行います。状況が改善されない場合は、罰金や行政代執行が行われることもあります。
■相続登記は済んでいる?
6年4月1日に相続登記の申請が義務化されました。相続登記とは、土地や建物など不動産の所有者が亡くなった場合に、相続人に名義を移すことです。不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に法務局へ申請を行う必要があります。
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