- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県蕨市
- 広報紙名 : 広報蕨 令和7年4月号
蕨地区更生保護女性会 会長 細井 玲子(ほそい れいこ)さん
■地域の母として寄り添う
蕨地区更生保護女性会は、非行や犯罪に陥ってしまった人の社会復帰支援のほか、さまざまな地域のつながりを深める活動を通じ孤立を防ぎ、犯罪等の防止に努めるボランティア団体です。今年で創立20周年を迎える同会の会長を務めるのが、細井玲子さん(73歳・中央3丁目)です。
人と関わるのが好きで、地区の主任児童委員を務めていた細井さん。子どもたちとの交流を続けるうちに自然と家がみんなの集まる場所になっていました。中には、学校や家庭で居場所が無いと、悩みを話しに来る子も。彼らと真摯に向き合う中で、「地域には一人で悩んでいる子がたくさんいる。そんな子の力になりたい」と思い、保護司を引き受けるとともに、17年前から同会の活動に加わりました。
入会後は、地域福祉や子育て支援など幅広い地域活動に参加し、地域での交流を増やしていきます。また、社会復帰支援として更生保護施設の寮生らとの料理教室も行っています。教室では、寮生に人とのつながりを感じてもらおうと、参加者みんなで料理を作り、食卓を囲みます。不慣れな手つきで包丁を握る寮生には、「ゆっくりでいいのよ」と声をかけ、「こんなふうにみんなで食べるのは初めて」と笑顔を見せる彼らを、母親のように温かく見守ります。どんな人にも優しく、分け隔てなく接する姿勢で、これまで多くの人の心に寄り添ってきました。
そんな一人ひとりに優しく向き合う誠実さが信頼を集め、2年前に会長に就任。「会長として歴史ある活動を次世代に引き継ぐのが自分の責務です」と細井さん。仲間とともに困難を抱える人に寄り添い、誰もが安心して頼れる場を作りたいと願うその優しいまなざしは、これからも多くの人を支え続けていくことでしょう。