- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県蕨市
- 広報紙名 : 広報蕨 令和7年7月号
誰一人取り残さない。
■3中学校の新しい居場所
近年、さまざまな事情で学校に通うことが難しい子どもが、全国的に増えています。市はこうした状況を受け、これまでも子どもたちに寄り添った不登校対策に力を入れてきました。今年度は支援を更に充実させ、子どもたちが学校に通うきっかけとなる居場所にしようと、市内公立3中学校に校内教育支援センター「e-station(イーステーション)」、通称「e-sta.(エスタ)」を整備し、5月26日に開室しました。
■自分に合うペースで学習
教室内には、丸テーブルや大きな机、パーテーションで区切られたスペースなどが設置され、生徒たちが落ち着いた空間のなかで、自分に合うペースで学習ができるように工夫されています。登下校の時刻は生徒自身が決めることができ、登校すれば出席扱いとなります。一日の主な流れは下記のとおり。午前中は自分で決めた内容をメインに、午後は野菜作りやポスター制作などの体験活動、交流レクリエーションなどのグループワークを行い、楽しく学習します。支援体制は、教員免許を持つ先生一人と支援員一人(男女一人ずつ)を配置。生徒一人ひとりに寄り添い、社会的自立への支援をしています。
市ではこれからも、一人ひとりに応じた支援を継続し、「誰一人取り残さない」取り組みを進めていきます。
市では、不登校の児童・生徒に対する支援を継続的に実施しています。今年度は新たな取り組みとして、校内教育支援センター「e-sta.」を開室。ここ本紙またはPDF版掲載の6、7ページでは、教室の概要と実際に通う生徒の声などを紹介します。
[一日の主な流れ]
午前9時半~午後0時40分 午前の部(2~4時間目)
・自学習、オンライン学習など ※居場所としての利用も可
午後0時40分~1時40分
給食、昼休み
午後1時40分~2時半 午後の部(5時間目)
・体験活動、グループワークなど
※登下校の時刻は生徒が決められます。
詳細:学校教育課
【電話】433・7728
■一中
教室の入り口にはエスタの体験で生徒が作ったポスターを掲示。さまざまな活動を通して学習へとつなげています
「学ぶことの楽しさを生徒たちに知ってほしいです」と若林先生と飯川支援員
■二中
学校には珍しい丸いテーブルを使用。また、パーテーションで区切るなどして居心地のよい空間を創出しています
「個性を尊重した教室作りで生徒をサポートしていきます」と神田先生と小松支援員
■東中
校内における教室の配置を工夫。他の生徒の目を気にせずに入退室ができるよう、昇降口の近くに設置しています
「教室内のチームワークを大事に居心地のよい教室にします」と松井先生とほか支援員一人
■通室している生徒の声
・私にとってエスタは心温まる場所です。先生たちも優しいし、みんなで仲よく過ごせています。これからも楽しい学校生活を送っていきたいです。
・エスタは落ち着いて勉強ができるところで、第二の教室だと感じています。みんなで体験活動やレクリエーションもして、とても楽しく過ごせています。
・田植えや畑作りをしたのが印象的です。今はスイカなども育てているので、みんなで収穫するのが今からとても楽しみ。今後はまち探検などもしてみたいです。
■通室までの3ステップ
(1)相談
学校の先生等(担任、顧問、さわやか相談員、校長等)に相談
↓
(2)体験
エスタで3日間程度体験し、今後の生活や学習の内容を確認
↓
(3)面談
本人と保護者が校長先生・教頭先生と面談し、通室届を提出
対象:市立中学校に在籍し、原則、学校を30日以上欠席している、もしくは欠席していた生徒