- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県ふじみ野市
- 広報紙名 : 市報ふじみ野 令和7年4月号
『江戸時代から明治時代にかけての商店の帳場(ちょうば)』
時代劇を見ていると、商店の中の座敷の一角に、柵で仕切られた場所があり、店の主人などがよく座っている光景を目にしませんか。このような場所を帳場と呼びます。
帳場は、来客の対応、金銭の勘定や帳面の記録などを行う場所で、店の主人か番頭しか座ることができませんでした。帳場を囲う柵は、L字型やコの字型のものがあり、帳場格子(こうし)と呼ばれ、関西地方では、結界(けっかい)と呼ばれることもありました。これは、寺院の中で内陣と外陣を分ける木柵のことを結界と呼び、それに似ていたからといわれています。
帳場格子の内側には、机が置かれ、机上や周囲には、大福帳(だいふくちょう)のような分厚い帳簿、算盤(そろばん)、書類を入れる帳場箪笥(たんす)や、お金を保管しておく銭箱(ぜにばこ)、アタリ箱などが置かれていました。アタリ箱とは、筆、墨や硯(すずり)などをしまっておく箱のことで、「墨をする」の「する」が「お金をする=なくなる」につながるので、わざわざアタリと言い換えていました。
明治時代末期まで回漕業(かいそうぎょう)・肥料販売業などを営んでいた福田屋は、現在福岡河岸記念館として公開しており、主屋に帳場とコの字型帳場格子を再現しています。
また、上福岡歴史民俗資料館では、回漕業などを営んでいた吉野屋の帳場を再現し、L字型帳場格子や帳場道具を展示しています。
江戸から明治にかけての商店の帳場の様子をぜひ見に来てはいかがでしょうか。
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上福岡歴史民俗資料館
≪ACCESS≫
・長宮1・2・11
・上福岡駅東口から徒歩20分、ふじみん号Aコース「福岡小学校前」下車徒歩1分
・開館時間は午前9時~午後4時30分(月曜日と年末年始を除く)
問合せ:上福岡歴史民俗資料館
(【電話】049・261・6065)