- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県ふじみ野市
- 広報紙名 : 市報ふじみ野 令和7年5月号
『日本の藍(あい)染め、世界の染織(せんしょく)』
藍染めは、青い染料が取れる植物の藍草を用いて、布地に色や模様を染め上げる伝統技法で日本には飛鳥・奈良時代ごろに伝わりました。
約110年前の明治・大正期には、中福岡、駒林を中心に機屋(はたや)が多くあり、藍を基調に茶、赤、紫、黄などの染めた糸を組み合わせて普段着やお出かけ着を作っていました。現在着てもおかしくないような斬新な文様もありました。
4月26日(土)から上福岡歴史民俗資料館で開催中の企画展「日本の藍染め・世界の染織2」では、藍染めの一連の工程やかつて上福岡地域で織られた布の再現品とともにアジア、アフリカ、アンデス(ナスカ)の織物を展示しています。
インドネシアのトラジャ族は、アカネ科の植物の根からとった赤い染料にマメ科植物から採った藍液を重ねて染めた大きな絞り文様のある布をお葬式に飾っています。また、西アジアでは岩塩を保存する凸字型のかわいらしい塩袋の織物、中国南部の貴州省の少数民族では藍染めの後、極彩色の刺繍(ししゅう)を施した衣類を作っています。アフリカのナイジェリアやガーナの藍染めには、独特な柄やシンボルが描かれ、メッセージが込められています。アンデスのナスカの人々は、藍とアカネなどで絞り染めのポンチョや神様の顔を様式化した文様の素晴らしい帯を作っていました。
他では見られない世界中の染織品と上福岡歴史民俗資料館機織り部会が再現した作品の多様な染織が奏でるシンフォニーをお楽しみください。
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上福岡歴史民俗資料館
≪ACCESS≫
・長宮1・2・11
・上福岡駅東口から徒歩20分、ふじみん号Aコース「福岡小学校前」下車徒歩1分
・開館時間は午前9時~午後4時30分(月曜日と年末年始を除く)
問合せ:上福岡歴史民俗資料館
(【電話】049・261・6065)