- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県三芳町
- 広報紙名 : 広報みよし 令和7年4月号
■れきしとくらし 第三十七回 古井戸山遺跡
古井戸山遺跡は、竹間沢地区にある「こぶしの里」から新座市西武台高校の周辺に広がる遺跡です。古井戸山遺跡が立地する柳瀬川の左岸台地上縁辺部には遺跡が連なって確認されており、下流に向かって、これまでに扱った本村南遺跡・本村北遺跡、北側遺跡と様々な時代の遺跡が続いています。柳瀬川に面している崖面には、湧き水が流れ出ている箇所が点在し、その浸食作用によって、谷状の地形が複数形成されています。複数の時代にまたがる遺跡が多く存在する要因として、水を得やすい自然環境が人々の暮らしに都合がよかったということが考えられます。
○古井戸山遺跡の発掘調査
古井戸山遺跡では、昭和62年の最初の調査以降、現在までに8地点の調査が行われており、旧石器時代の石器、縄文時代の住居跡・土器・石器、弥生時代の住居跡・土器、平安時代の坏(つき)、中世の板石塔婆(いたいしとうば)などが出土しています。この中で、出土した旧石器時代、縄文時代の石器は主に黒曜石で作られたものでした。石材である黒曜石は産地が限られており、古井戸山遺跡で出土したものは約4分の1が長野県和田峠産、さらに約4分の1が東京都神津島産であることがわかりました。遠い産地の石材が三芳町で見つかったことは、当時の人々の広範囲にわたる交流をうかがわせます。
このように姿は見えなくとも、昔の人々の動きが感じられるところが発掘調査の面白いところだと思います。みなさんも発掘調査に参加して思いを馳せてみませんか。
問合せ:文化財保護課
【電話】258-6655