文化 市美術館コレクション探訪

■渓斎英泉(けいさいえいせん)
《今様美人拾二景 両国橋 気がかるさう》
文政5-6年(1822-23)頃 千葉市美術館蔵
「今様美人拾二景」は、絵巻物の形をしたコマ絵の中に、江戸名所を描いた美人大首絵12枚のシリーズです。本図のコマ絵は、江戸で最も繁華な場所、両国橋。女性は三味線の弦を調律しているところから芸者と思われます。口元は笑っているようで、明るい気立ての気軽な若い芸者といった想定のようです。
本図をはじめとする渓斎英泉のまとまったコレクションを千葉市が初めて入手したのは、美術館が開館する前の1985年のことでした。千葉市美術館開館30周年を迎える本年は、美術館の設立のきっかけとなったこの最初の収集に始まり、コレクションの成長を30年分の企画展のあゆみとともに、常設展示室で特集展示します。個性的なコレクションの数々とその真髄を、一年を通じたシリーズでどうぞご堪能ください。
(本図は常設展示室にて4月9日(水曜日)から5月6日(火曜日)まで展示)