文化 シリーズめっけたぁ!!おらがの文化財(102)~南房総市内の文化財を紹介します~

■市指定有形文化財(彫刻)
『木造如来形坐像(もくぞうにょらいぎょうざぞう)』
所在地:白浜町滝口(たきぐち)1084(白浜地区)
所有者:紫雲寺(しうんじ)(真言宗)

□謎多き白浜屈指の古仏
白浜町滝口にある紫雲寺の本堂には、本尊の手前に「木造如来形坐像」と呼ばれる、1体の古びた仏像が安置されています。
高さ58.0cm・幅46.5cmのこの像は、一木造(いちぼくづくり)という頭部から体幹部までを単一材で彫り上げる工法で作られており、材料にはクスノキと思われる広葉樹が使われています。
像内に内刳(うちぐ)り(空洞にする加工)が施されていない点や、腹部のふくよかな肉付きに平安時代前期の特徴が残されていますが、体格が少し引き締まった作風から、制作されたのは平安時代の中期にあたる11世紀代と考えられています。
その形状から、如来像であることは確かですが、風化や欠損が著しいため、詳細は不明です。顔面は室町時代頃の作り直し、脚部は別個体からの転用とみられ、さらに左肩と両手は平成16年(2004)の復元となっています。
顔や脚などを失うほど著しく破損した原因など、来歴について謎が多い仏像ですが、白浜地区で有数の古い如来像と考えられています。

□公開
・原則公開。拝観する際は、事前に紫雲寺へお問い合わせください。
【電話】0470-38-4740
・トイレなし/駐車場あり

*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。

問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963