- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県大網白里市
- 広報紙名 : 広報おおあみしらさと 令和7年6月号
■大網病院をもっと身近に
今回は、がんの手術において体への負担が軽く、早期退院ができる腹腔鏡下手術(以下「同手術」と略します)などについてご紹介します。
同手術は、腹部に数か所の孔(0.5~1.2mm)を開けて、お腹の中に二酸化炭素を入れて空間を作り、腹腔鏡というカメラや特殊な器械を用いて、テレビ画面を見ながら手術を行います。切除した臓器を取り出すために、4~5cm程度の創(きず)が必要ですが、開腹手術よりは負担が軽く、早期回復につながります。
○年齢や病状に応じた治療
当地域は高齢者が多く、がん治療においてはQOL(生活の質)に配慮した治療法が重要です。具体的には、病気の進行に伴う痛みの軽減や身体機能の低下を最小限に抑えるなど、患者様一人一人に最適な治療に取り組んでいます。
胃や大腸のがんは、手術後の合併症を軽減するため、できるだけ同手術を行っていますが、腫瘍の進展などによっては開腹手術を選択する場合もあります。
肝臓、胆道(胆嚢、胆管、十二指腸乳頭部)、膵臓のがんなどでは、千葉大学消化器内科医師と協力して術前診断を行います。診断に当たっては、腫瘍の質的診断をするCT、血管構築などの手術に必要な3D画像解析システムおよびMRIなどを活用し、的確な治療に努めています。
大腸がんから転移した肝がんでは、切除困難な症例がありますが、2段階切除など手術を工夫しています。手術以外では抗がん剤治療、放射線治療など、病状に応じた治療を選択しています。また、胆道がんなど切除不能の症例ではステント治療(※)を行い、患者さんのQOLを損なわないよう努めています。
※…ステント治療とは(胆道がんの場合)、胆管にステント(管)を挿入し、消化液の流れを良くして重症化を防ぐものです。
問合せ:大網病院
【電話】72-1121