くらし 【特集】多古と世界がつながる場所
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- 自治体名 : 千葉県多古町
- 広報紙名 : 広報たこ 令和7年4月号
海外から来た方たちが日本語を学ぶための学校「国際協力日本語学院」が多古町にあるのをご存じでしょうか。同校は、平成28年3月に閉校した旧多古第二小学校の校舎を活用して平成30年に開校し、スリーエム株式会社が運営しています。バングラデシュ、ネパール、モンゴルなどアジア圏を中心に、約60人の生徒が通っています。生徒たちは午前中に授業を受け、午後に成田空港などでアルバイトをしています。卒業後は、専門学校や大学への進学などそれぞれの進路を歩み、やがて日本で就職や起業をしたり、母国と日本の架け橋になることを目指しています。
開校当初は地域の方たちとの交流がありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で現在は途絶えてしまいました。講師の和田先生は「生徒たちは日本の人たちともっと話をしたいと思っているので、今後は地域の皆さんとの文化交流なども行いたい」と話し、「生徒たちは、進学や就職でここから日本中に巣立って行きます。悩みの相談に乗るなど授業以外のサポートも行い、生徒たちに日本のふるさとだと思ってもらえる学校をつくっていきたい」と思いを語ります。高い志を持ったすてきな先生や生徒が集い、多古と世界をつなぐ学び舎が、ここにあります。
◆国際協力日本語学院へ通う生徒さんに日本語でインタビュー
◇ロケンドラさん
私はネパールから来ました。ネパールは、モモという餃子に似た料理が有名です。多古町は静かできれいな場所だなと思います。アルバイトは、飛行機に乗るお客さまのためのお弁当を作る仕事をしています。
日本語の勉強は、ひらがなやカタカナを使ったり、話したりすることは大丈夫ですが、漢字は苦手ですね。専門学校に進んで就職できるように勉強を頑張りたいです。
◇チャトリカさん
私はスリランカの出身です。スリランカにはシーギリヤという大きな遺跡あり、キリバットというお米料理が有名です。多古町は自然がいっぱいあって、とても良いところだと思います。お米もおいしいです。
日本語の勉強はとても楽しくて大好きです。今は大学に入るための試験に備えて、日本語と英語の勉強を頑張っています。
◆取材後記
国際協力日本語学院や、そこで頑張る生徒たちのこと知ってもらおうと、授業風景などを取材しました。気さくな人が多く日本語も上手なので、スマートフォンの翻訳アプリなどは使わずに会話ができました。母国語でない言語を習得することは、1日や2日でできることではありません。一人ひとりが目標を持って日本語の学習に取り組んでいることが、実際に話をしてみて本当によく分かりました。何事にも一生懸命な生徒の皆さん。役場前のバス停から空港シャトルバスで成田空港に向かう姿をよく見かけます。生徒の皆さんは「日本の方ともっと話をしたい」と言っていましたので、町で会ったら気軽に「こんにちは」とあいさつしてみてはいかがでしょうか。私も今度お会いしたら「こんにちは」と声を掛けてみようと思います。