文化 ちょうせい地名探訪 Vol.4 地名の由来を学ぶ

地名には、暮らしや歴史、自然と深く関わる由来があります。
この特集では、地名に込められた意味や物語を紹介します。
地名を通して、ふるさとの魅力を再発見してみませんか。

■岩沼(いわぬま)
岩について「万葉集」二十に「家なる我は…」とあるが家は「いわ」と読み岩のことで、上代東国方言(じょうだいとうごくほうげん)にうたわれている。「いわ」は「ゆは」で「いわゆれ」という方言である。「いわ」のことばはまた「いわい」といわれる。社(やしろ)を中心に「斉」すなわち「幸」を祈ることをあらわしている。岩沼に皇産霊神(むすびのかみ)を祀り村人の幸せと繁栄を祈ったことから岩は「斉(いわい)」の転化であろう。なおこの地域は湿地帯であったところから岩沼と呼ばれるようになったと思われる。

■信友(のぶとも)
地形などに関係ない珍しい地名と思う。主従、親子、兄弟、夫婦も攻め合う戦国争乱の世を逃れて、お互いを深く信じあって平和な里をつくろうという願いをこめて名付けたものだと考えたい。
争乱の世を逃れて落延びてきた人々が金田の東北(小字古屋敷(こあざふるやしき))に住みつき、東に本延寺(ほんねんじ)、西は八幡神社(はちまんじんじゃ)を祀って開拓を進めたという。次第に人も家も増えて古屋敷では狭くなったので、当時ここの東から北の沼沢地の向こう側の台地(南台、中台、新地台)に分散移住して今日の里の形態ができたと言われる。江戸時代初期のことと思う。

出典:長生村地名物語(平成13年一部改定再版)