- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県長南町
- 広報紙名 : 広報ちょうなん 令和7年3月号
認知症でまずはじめに重要なのは、症状の切り分けです。認知症では、もの忘れや周囲の状況がわからなくなる見当識障害、理解力・判断力の低下などの認知機能障害が認められます。そして、さまざまな幻覚や妄想、不安やうつ、興奮状態などの精神症状が合併することもあります。精神症状はすべての認知症の人に認められるわけではありません。認知機能障害と精神症状は対応の仕方が大きく異なるので、はじめにきちんと切り分けることが重要になるのです。認知症では、生活上の支障があるので、社会生活・日常生活の上で支援が不可欠です。このときに精神症状があると支援が困難になることが多いので、この意味でも精神症状を切り分けて適切に評価することはとても重要です。
そして、認知機能障害と精神症状は相互に複雑に関係し合っています。たとえば、もの忘れや理解力の低下などの認知機能障害から、不安やうつ、いらいらなどの焦燥感が生じてくることがあります。物の置き忘れをきっかけに、不安や焦燥感が加わり、物盗られ妄想が生じてくることもあります。また、うつなどの精神症状が原因で、もの忘れや見当識障害、理解力・判断力などの認知機能障害を生じてくることもあります。そして、症状の適切な評価で欠かせないのは、その方のもともとの性格や考え方、歩んできた人生です。
認知症の支援では、認知機能障害と精神症状を切り分けて、複雑に絡み合った症状をひもとき、適切な対応方法を考えていくことが重要になるのです。
◆古民家の小さなお祭り
去る2月15日に関原にある築120年以上の古民家で、2回目の『古民家の小さなお祭り』が開かれました。今回のテーマは『宝』です。私たち人間の存在自体が『宝』そのものなのです。会場では伝統的な太巻き寿司を作ったり、竹筒で炊いたご飯が振る舞われ、やっかいものとされがちなくずを利用した輪投げなどのイベントが行われました。絵本の読み聞かせ、南京玉すだれや花笠音頭などの演芸が披露され、とても盛り上がりました。赤ちゃんから97歳まで50人以上の人が集まり、とても有意義な交流の場となりました。こうしたイベント以外でも気軽に集まって交流ができる場があるといいですね。
■上野先生を講師に迎えた「認知症学習会」を毎月開催しています。
ぜひご参加ください。
日時:3月19日(水)15時〜16時(要事前申込)
場所:保健センター
問い合わせ(申込先):福祉課 包括支援センター
【電話】46-2116