- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県鋸南町
- 広報紙名 : 町報きょなん 令和7年3月号
■講演会を開催
1月31日に東条メンタルホスピタル院長(千葉県認知症疾患医療センター長)の金井先生にお越しいただき、認知症予防や最新治療についてご講演いただきました。
●1.認知症とは?
認知症とは、脳の病気によって脳細胞が減少または働きが悪くなったために、記憶力や判断力が低下し日常生活に支障がでた状態のことです。75歳ごろから発病が増えると言われており、誰しも注意が必要です。※軽度認知障害(MCI)は、認知症の前段階で認知機能が低下しつつある状態ですが、適切な治療や対策を行うことで健常な状態に戻る可能性があります。「以前と違う」と感じたら早めに受診しましょう。
●2.認知症を引き起こす代表的な脳の病気と治療法について
日本において最も多いのはアルツハイマー型認知症、次いでレビー小体型認知症が多いと言われています。いずれも、脳の中でたんぱく質のゴミが蓄積することによって引き起こされると言われています。これまでの治療法としては、根本的な治療法がなく、対処療法が主流でしたが、2023年に承認されたアルツハイマ―型認知症の新規治療薬レケンビ(R)(レカネマブ)は、脳のゴミ(アミロイドβ)を除去することで、軽度認知障害(MCI)や軽度の認知症の進行を抑制する効果が期待できるため、大きな注目を集めています。
●3.認知症ケアの基本は安心感を持ってもらうことが大切です!
認知症の人は「自分がおかれている状況が分からないという不安」「先を予測することができないことへの恐怖」「自分だけが違う世界にいる事への戸惑い」を感じています。接する際には、次のような工夫や配慮が重要です。
▽認知症の人を安心させる方法
(1)穏やかな声で話す
(2)相手のペースに合わせて見守る
(3)「大丈夫」であることを保証する
(4)スキンシップの機会を増やす
●4.認知症を予防するための生活習慣を取り入れましょう!
食事:MIND食がおすすめ(緑黄色野菜、ナッツ類、豆類、魚、オリーブオイル)
運動:1日30分以上の有酸素運動を週3日以上
睡眠:質の良い睡眠(5~8時間)をこころがける
地域交流:人との交流・会話を大切にする
参加者からは「早期の対応が進行を遅らせることや認知症の方への対応の仕方が非常に参考になりました」とのお声があり、大変好評でした。ご参加いただきありがとうございました。
MIND食とはアルツハイマー病のリスクを低下させる食事法です。日本食にはMIND食に適した食材(味噌汁や納豆、豆腐、ゴマ、煎茶など)が多く使われています。
■認知症講演会開催のお知らせ
鋸南町・南房総市の共同開催で「認知症サポータ養成講座ステップアップ研修」を開催します。
日時:5月16日(金)午後1時30分~午後2時45分
場所:中央公民館
講師:袖ヶ浦さつき台病院 認知症疾患医療センター長 細井尚人氏
申込み・問合せ先:鋸南町社会福祉協議会
【電話】50-1174【FAX】50-1236