くらし 【令和7年度予算特集】安心と幸せを皆さんのお手元まで(1)

令和7年度当初予算を、「未来を拓き、区民生活の安心と幸せにつなげる予算」として、「子ども・子育て支援施策」「高齢者施策」「持続的に発展するまちづくり」「デジタル技術の活用」の4つをテーマに編成しました。
今号では、新たに取り組む事業の一部をご紹介します。

■子ども・子育て支援施策
◇幼稚園の環境を充実(6,839万円)
・幼稚園給食・弁当提供を行います(原則として休業日を除く)。
・朝・夕・長期休みなど、預かり保育時間を拡充します。

Q:なぜ幼稚園で給食を取り入れるのですか。
A:区の調査では区立幼稚園に求めるサービスとして預かり保育の拡充、給食提供とする割合が7割を超えています。保護者の負担を減らすとともに栄養に配慮された給食を提供し、子どもの健やかな成長をサポートします!

◇区立学校における教材費を全額補助(6,721万円)
Q:教材費を補助する目的を教えてください。
A:すべての子どもが十分な教育を受けられるように、公教育に係る保護者の負担を軽減するためです。

◇妊娠前から学齢期以降までの総合的な経済的支援(15億6,154万円)
・卵子凍結及び凍結卵子を使用した生殖補助医療へそれぞれ最大10万円助成します。
・保険適用された特定不妊治療と併用して実施される先進医療へ最大5万円助成します。
・出産費用(基礎的費用)について出産育児一時金(50万円)を上回る費用を最大31万円助成します。
・子育てに係る経費が増大する中学生・高校生などの子どもを持つ世帯に対して、子ども1人当たり月額1万5,000円の手当を支給します。
・大学等進学のための給付型奨学金を学業成績など総合的に判断し選考・支給します。
・子どもの入院時の食事療養標準負担額を全額助成します。
・より支援が必要な子どもの療育経費の助成上限額を1万円から2万円に引き上げます。

Q:子どもや子育てへの経済的な支援に力を入れるのはなぜですか。
A:理想の人数の子どもを産み育てられていない主な理由として、経済的な負担が挙げられています。そのため、出産前後を含む子育て世帯への総合的な経済的支援をします。

◇(仮称)千代田区こどもカルテシステムの構築(1億4,445万円)
・特別な支援を要する子どもに対して、関係機関が迅速に子どもたちの情報を共有できるシステムを構築します。

Q:このシステムの構築に取り組む目的は何ですか。
A:システムを活用することで、支援のための各種シートの情報を統合するとともに、保護者の負担軽減や、子どもたちへの継続的で計画的な支援につなげます。

■高齢者施策
◇住み替え相談に関する支援を拡充(549万円)
・住まいの確保にお困りの高齢者などに対して、居住支援法人の専門相談員による、きめ細やかな相談体制を整備します。物件の紹介や見学、契約への同行なども行い、民間賃貸住宅への円滑な入居に向けて支援します。

◇高齢者の入居を推進するための賃貸人(大家等)への支援(250万円)
・単身高齢者などが入居する賃貸住宅について、孤独死などの死亡事故に伴う原状回復費や家賃損失などを補償する新たな保険契約を区が保険会社と締結します。その保険料を区が全額負担することで賃貸人の不安やリスク負担の軽減を図ります。

Q:住まいに関する支援を行う目的を教えてください。
A:単身高齢者などは、年齢や身体状況、区内に低廉な家賃の物件が少ないなどの理由で、住まい探しが難しくなっているためです。賃貸人と賃借人双方が安心して賃貸借契約を結べるように支援します。

◇補聴器購入費助成を拡充(1,200万円)
・60歳以上の方を対象に、住民税課税世帯は7万2,450円、非課税世帯は14万4,900円まで助成上限額を引き上げます。

Q:なぜ補聴器購入費助成を拡充するのですか。
A:認知症の予防に取り組むためです。難聴になると人とのコミュニケーションが図りにくくなり、認知症の原因となると推測されています。補聴器の装着を一層推奨することで認知症のリスクを減らします。

◇認知症とともによりよく生きるためのプログラムの共同研究・開発(1,760万円)
・認知症や軽度認知障害(MCI)の人も主体的に関わることができるプログラムを、東京都健康長寿医療センターおよび九段坂病院と三者共同で研究・開発し、令和9年度からの地域実装に向けて実証実験に取り組みます。

かっこ内の金額は、主な取り組みを含む事業全体の予算額です