くらし 【特集】ごみゼロへの挑戦 2050 ゼロ・ウェイストちよだ(2)

■私たちにできること
◇リチウムイオン電池にご注意を!
小型の手持ち扇風機や充電式掃除機などに使用されているリチウムイオン電池は少しの衝撃でも発火します。メーカーの指示に従い、取り外せるものは不燃ごみとは分けてください。

◇生ごみは水切りを!
しっかり水を切ると量が減り、燃焼効率を高めます。水を切ったあとに新聞紙で包むと腐りにくくなり、からすやねずみなどの対策にもなります。

◇スプレー缶は使い切って!
未使用の場合には袋に「未使用」と目立つように書き、ガラスなどの割れ物は「キケン」と書いてください。

◇決められた方法で処分を
在宅医療で使用したインスリンの注射針は必ず買ったところに返却してください。また、炭酸水を作るときに使うガスシリンダーは回収できません。決められた方法で処分をお願いします。

▽ごみの分別に迷ったら
千代田清掃事務所へご連絡ください!
【電話】03-3251-0566

千代田区ごみ分別アプリ「分けちよ!」も配信中!
※千代田区以外の地域では分別方法が違う場合があります。お住まいの地域の分別方法をご確認ください

■2050 ゼロ・ウェイストちよだ
◇(基本方針1)ごみ発生抑制と、メーカーへ製品開発を促す上流対策の促進
「ごみの抑制」と「メーカーへ製品開発促進」を軸にした廃棄後の問題についても考えた対策(上流対策)を推進します。
〔主な新規の取り組み〕
・商習慣の見直しに向けた検討
・廃棄物削減による効果の見える化
・ねずみ等の対策の推進

◇(基本方針2)資源循環の更なる促進
一度ごみとして排出されたものに対して資源の再利用を促進します。
〔主な新規の取り組み〕
・プラスチックの循環システム
・生ごみ(厨芥類)のリサイクル
・使用済み紙おむつのリサイクル

◇(基本方針3)ライフスタイルや事業活動の見直しを促す情報発信の推進
ごみ削減の重要性と具体的な実施方法を誰にでも分かりやすく理解と共感を得ることを目指します。
〔主な新規の取り組み〕
・ごみ削減に向けた区民アイデアコンテストの開催
・広告型給水スポットステーションによる脱ペットボトル
・食品ロス削減全国大会の招致

◇(基本方針4)事業系ごみの更なる削減
家庭ごみだけでなく、事業者に対し、より厳格なごみ削減目標を設定し、分別の徹底とリサイクルの推進を図ります。
〔主な新規の取り組み〕
・事業系古紙回収協力事業所制度の検討
・事業系生ごみ処理機設置助成の創設
・事業者連携によるごみ削減推進プロジェクトの創設

■ごみを減らすヒントは「もったいない」
〜江戸時代は驚きの循環型社会
皆さんは「3R」という言葉を目にしたり耳にしたりしたことはありますか。3Rは、ごみを減らし環境負荷を低減する取り組みです。1970年代にアメリカで発祥したと言われていますが、日本では古くから物の再利用が行われていました。皆さんも一度は聞いたことがあるあの言葉、そう、「もったいない」です。とはいえ、そのころは現代のような「地球環境問題」ではなく、「物がない」ということ。
物が不足し、裕福とは言えない江戸時代。市中にはなんと1000ものリサイクル屋があったといいます。回収業者がせっせと歩き回り不用品を回収したり、落ちているものを拾ったりしていました。修理専門の職人もおり、家で待っているだけでさまざまな職人がやって来て壊れた物を直してくれたといいます。
余談ですが、岩本町・東神田の繊維問屋街は、古着を扱う露店が神田川沿いの「柳原土手(現柳原通り)」に多く店を開いていたことから始まったそうです。
さて、「もったいない」のひと言から多くの知恵を絞り、あらゆる物を再利用してきた江戸時代。物のあふれる今、「もったいない」と感じることは少なくなってきたかもしれません。しかし、便利になる一方で、ごみをはじめ、多くの環境問題が起こっているのも事実。皆さんの身近な物も環境にやさしい「何か」に変わるかもしれません。

◆江戸時代のリサイクル
◇紙くず買い、紙くず拾い
古紙を買い取ったり町中の紙を拾ったりして紙すき屋に持ち込み、古紙はちり紙などに

◇下肥買い
集めた排泄物を農家に売り、農家が肥料として使っていた

◇古着屋
布はすべて手織りの高級品、江戸時代には4000軒もの古着商がいたという

◇古傘骨買い
江戸の傘は、竹の骨に油紙を貼り付けたもの。油紙は剝がして漬物や魚などの包装用に、折れた骨は燃料に、使える骨は傘貼りの職人に出し、新たな傘に再生した