くらし 【特集】 めぐろ外来生物ノート~6月は環境月間(1)

気づいてほしい人間が拡げてしまっていること。

いつの間にか日本各地で目撃されるようになった外来生物。人間の活動によって本来いない地域に持ち込まれたいきもので、生態系に影響を及ぼす困りものでもあります。実は、区内にもたくさん生息中。環境月間である6月、生物多様性にも影響がある外来生物について学び、さらに拡げないために何ができるかを考えてみましょう。

■知っているようで知らない! 外来生物のきほん
◆外来生物
もともとその地域にはいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のこと。国内で本来生息していなかった地域に入ってきた生物も、外来生物に含まれます。

◆外来種
意味は外来生物とほぼ同じ。海外から持ち込まれた生物を「国外由来の外来種」、国内に生息する生物でも本来いなかった地域に入ってきた生物を「国内由来の外来種」と言います。重点対策外来種は、生態系に甚大な被害を及ぼすと予想され、対策の実効性が見込まれている生物です。

◆特定外来生物
外来生物の中でも、生態系や人の生命・身体、農林水産業などに被害を与えるものとして、法律に基づき指定した生物。飼育や栽培、保管、運搬、輸入は原則禁止です。特定外来生物のうち、条件付特定外来生物として指定されたアメリカザリガニとミシシッピアカミミガメは、家庭で飼育することはできますが、放したり、逃したりすることは禁止されています。

◆私たちにできること
▽外来種被害予防3原則 入れない 捨てない 拡げない
外来種による被害を予防するために、まず悪影響を及ぼす恐れのある外来種はもともといなかった地域へ「入れない」ことが重要です。すでに飼っている、または栽培している外来種は、適切に管理し、絶対に「捨てない」ようにしてください。もし野外で外来種が繁殖してしまっている時には、少なくともそれ以上「拡げない」ことが大切です。外来種に関わる際はこの原則を心に留め、適切な対応をとりましょう。
・環境省アメリカザリガニ・アカミミガメ相談ダイヤル【電話】0570-013-110(9月30日まで)
※区は、ハクビシン・アライグマ以外の外来生物の駆除などに関する問い合わせは受け付けていません

◆外来生物は、案外身近にいます
東京大学サークル 環境三四郎所属 中野和真さん
僕が環境問題に興味を持ったのも、子どもの頃から好きだったアメリカザリガニが生態系にとっては悪ものだと知ったから。在来種の居場所を奪い、絶滅を引き起こす可能性のあるアメリカザリガニ。現在、条件付特定外来生物として飼育や保管が細かく規制されているのは、私たちが長年にわたって安易に拡げる行為をしてしまっているからです。少しでもその数を減らすために、まずは身の回りの自然に触れ、身近にいる外来生物の存在を知ってほしいです。それが、在来種のいる豊かな環境を守る第一歩だと思います。

▽環境三四郎
東京大学の学生や卒業生を中心に構成されている大学公認のサークル。環境問題の解決を目指し、キャンパス内にある池の生物調査や、区内の小学校などへの出張授業などを行っている。

■発見情報、求めています!
目黒の桜が危ない!クビアカツヤカミキリ
サクラやモモなどのバラ科樹木に寄生する外来生物のカミキリムシ。この幼虫が木の内部を食べて弱らせ、枯らしてしまうのです。区内ではまだ発見されていないものの、全国で被害が拡大しており、都内でも被害が確認されています。まさに今、4月~10月の間が幼虫の活動期間。もし区内でクビアカツヤカミキリを見つけたら、みどり土木政策課へご連絡ください。

問合せ:
みどり土木政策課みどりの係【電話】5722-9359
施設計画係【電話】5722-9745
【FAX共通】3792-2112