子育て 遊び、学び、交わる「かぞくのアトリエ」。(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都渋谷区
- 広報紙名 : しぶや区ニュース 令和7年(2025年)7月15日号
―子どもも、大人も、心地よい居場所を目指して。―
■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
子どもの感性や創造力を育み、子育ての楽しみを共有できる「かぞくのアトリエ」で働くお二人にお話を伺いました。
・かぞくのアトリエ館長 増田晴菜(ますだはるな)さん
「都会で子育てをする保護者に寄り添える居場所づくりを心掛けています。」
・かぞくのアトリエ副館長 宮原恵(みやはらめぐみ)さん
「ワークショップや講座は、親子で楽しめる企画が盛りだくさんです!」
◆「あたらしいかぞく」のためのコミュニティーサロン「かぞくのアトリエ」
◇自己紹介をお願いします。
増田:「かぞくのアトリエ」の館長を務める、増田晴菜です。「かぞくのアトリエ」がオープンした平成25(2013)年から数年間、スタッフとして勤務した後、しばらく恵比寿にある「景丘(かげおか)の家※」で働いていました。今年、館長として約6年ぶりに「かぞくのアトリエ」に戻り、教員免許や鍼灸(しんきゅう)師の資格を活用して、自分の特技を生かしたサポートなどにも取り組んでいます。
宮原:「かぞくのアトリエ」副館長の宮原恵です。令和元(2019)年から「かぞくのアトリエ」のスタッフとして働いています。私は子どもが大好きなので、利用者の皆さんと積極的にコミュニケーションを取るなど、「かぞくのアトリエ」が子どもたちの未来につながる場所になるように日々頑張っています。
※「こどもと食」をテーマに、あらゆる世代が交流できる施設として平成31(2019)年3月にオープン。所在地の旧町名「景丘町」にちなんで命名されました。
◇「かぞくのアトリエ」は、どのような施設なのでしょうか?
増田:子どもたちが友達と出会ったり、アートと触れ合ったりしながら、豊かな感性や創造力を育む場所です。また保護者にとっても、子育ての楽しみや喜びを共有できる場所になることを目指しています。今年で開館して12年になりますが、本当に多くの皆さんに利用していただいています。スペースを提供するだけでなく、子どもも保護者も楽しめるようなワークショップやプログラムを多く開催していることが特徴です。
宮原:主な利用対象者は、渋谷区に住んでいる乳幼児と小学生、そしてその保護者になります。平日の昼間は乳児とその保護者、土曜日は園児とその保護者の利用が多く、平日の放課後になると、近隣の小学生が集まって児童館のようなスペースとして活用されています。地域のよりどころとして、少し離れたところから子どもたちの成長を見守ったり、都会で子育てをする中で孤立しがちな保護者をサポートしたりできる存在になれればと考えています。
◇施設内には、どのようなスペースがあるのでしょうか?
増田:1階、2階、地下からなる3フロア構成の施設内は、いくつかのスペースに分かれています。1階の「おやこサロン」は、ボードゲームやカードゲームなどで遊べるほか、飲食もでき、保護者同士や子ども同士の交流の場になっています。2階には、乳幼児専用のカーペット敷きのスペース「おやこルーム」と、主にものづくりの講座で利用する「アトリエ」があります。そして地下は、体育館のような「プレイルーム」があり、曜日や時間帯によって利用できる年齢や使える遊具を分けることで、どの年代の子どもでも楽しく遊べるようになっています。
◆子育て、アート、自然、食など、多彩なワークショップやプログラムを開催
◇「かぞくのアトリエ」で開催しているワークショップやプログラムについて教えてください。
宮原:ワークショップは月に4回、事前申込制の「アートスクール」という名称で、土曜日に開催しています。毎回異なるテーマを設定して各分野のクリエーターを講師にお招きし、子どもの感性を刺激するものや親子で楽しめるもの、大人がじっくり体験できるようなものなど、さまざまな分野のものづくり体験を楽しめるワークショップを企画しています。また年に数回ですが、施設を離れて郊外に行き、自然と触れ合いながら遊んだり学んだりできるワークショップも実施しています。
増田:プログラムは、大きく分けて2種類あります。まず「フリープログラム」は、事前予約不要で気軽に参加できるプログラムです。乳幼児を対象にした読み聞かせや、未就学児と保護者に向けた「ボディーワーク&ヨガ」、小学生向けのものづくりのプログラム、自然遊びなど多彩な企画を毎月6回程度、開催しています。そして「おやこきょうしつ」は、0歳から3歳までのお子さんと保護者を対象にしたもので、月齢に合わせてクラスが異なる事前申込制のプログラムです。月に1回、5か月間にわたって、同じメンバーで取り組み、体を使った遊びや食育、ものづくり、観劇、自然体験などさまざまな分野の講座を体験できます。
◇「おやこきょうしつ」の講座内容や、参加者の反応について教えてください。
宮原:「おやこきょうしつ」は、それぞれの月齢に合わせた、内容や分野の異なる講座で構成されていることが一番の特徴です。これまでの参加者の反応や感想を基に、講師の皆さんとアイデアを出し合いながら、より良いプログラムになるように少しずつ改良を加えてきました。申し込みの時点では、どのような講座が開催されるのかを公開していないのですが、それでも多くの応募をいただけるということは、このプログラムを信頼してくださっている証(あか)しだと感じています。
増田:各クラスの定員は親子12組で、情報交換をしたり、育児の悩みを共有したりと、参加者同士の交流の場にもなっています。5回にわたるプログラムが終了した後も、定期的にこちらに集まっている保護者のグループもたくさんあります。また、講座で習った歌や体のケアなどを自宅でも実践して、それが親子のコミュニケーションになっているという声も多くいただいています。