イベント 原宿・表参道で進化を続ける伝統の夏祭り。(1)

ー演舞、音楽、衣装など、彩り豊かな夏の風物詩。-

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
8月23・24日に開催される「原宿表参道元氣祭スーパーよさこい」の運営に携わるお二人に、お祭りの魅力や見どころについて伺いました。

・商店街振興組合原宿表参道欅会 相談役 松井誠一(まついせいいち)さん
「自由でパワフルな「スーパーよさこい」の魅力を現地で体感してください!」
・「原宿表参道元氣祭スーパーよさこい」公認スタッフ集団「ぴりここ」代表 井上昇(いのうえのぼる)さん
「都会の真ん中で伝統的なお祭りをぜひ、楽しんでください。」

◆「スーパーよさこい」は常に進化し続ける夏の伝統行事
◇自己紹介をお願いします。
松井:商店街振興組合原宿表参道欅(けやき)会(以下「原宿表参道欅会」)の松井誠一です。「原宿表参道元氣き祭スーパーよさこい」(以下「スーパーよさこい」)を主催する原宿表参道欅会の理事長を平成18(2006)年から18年間務め、現在は相談役としてイベントの運営などに携わっています。また、「スーパーよさこい」を立ち上げた平成13(2001)年には、副実行委員長を務めていました。

井上:「スーパーよさこい」公認の進行スタッフ集団「ぴりここ」代表の井上昇です。「ぴりここ」は、スタッフ全員がよさこいの踊り子経験者で構成されている団体で、「スーパーよさこい」を盛り上げるとともに、滞りなく開催されるように運営や進行などをサポートしています。私自身も学生時代から15年ほど、踊り子として活動していました。

◇「スーパーよさこい」の起源である「よさこい祭り」とは、どのようなお祭りなのでしょうか?
松井:戦後の不況の中、昭和29(1954)年に経済復興や地域おこしのため、高知県高知市で誕生したお祭りです。鳴子(なるこ)(※)を鳴らしながら前に踊り歩き、楽曲の一節に「よさこい鳴子踊り」を使用するというルールのもと、チームごとに踊りを披露します。自由度が高く、アレンジの幅が広いことから、全国に広がり、それぞれの地域に根付いた形で開催されています。

井上:最大の特徴であり、また魅力でもあるのが、新しいものを取り入れることで、常に進化している点だと思います。例えば、踊りに使用される楽曲は、当初は日本舞踊がベースだったそうですが、現在は激しくギターを弾くような曲や、ダンスミュージックを取り入れた曲を採用するなど、各チームの個性が存分に発揮された楽曲が使用されています。衣装も、昔ながらの法被(はっぴ)や浴衣に加えて、各チームがさまざまなアレンジをしていて、とても華やかで、演舞に華を添えています。「心が躍るものなら何でもあり」という、高知らしい自由で活気にあふれたお祭りだと思います。

※よさこいを踊る際、手に持って鳴らす楽器。起源は田畑にいるスズメなどを音で驚かせて追い払うための農具「すずめ脅し」。

◇原宿・表参道で「スーパーよさこい」が始まったきっかけを教えてください。
松井:複数の要因が重なり、日本経済が低迷していた2000年代初頭に、商店街振興組合として、まちに「元氣」を与えるようなイベントができないかと考えたのがきっかけです。アイデアを募ったところ、「よさこいを開催してはどうか」という案が上がり、「よさこい祭り」の元々の目的が私たちの目的と合致していたということもあり、開催することになりました。原宿・表参道は明治神宮の参道エリアでもあるため、「明治神宮奉納祭り」として開催し、開催前には本殿の前で踊りを奉納しています。最初の数年は手探りの状態でしたが、少しずつ規模を広げ、今年で23回目を迎えます。

◇「スーパーよさこい」の特徴を教えてください。
井上:「スーパーよさこい」は、全国各地で開催されているよさこいのお祭りの中でも、指折りの規模を誇るお祭りです。ステージで踊る形式と、パレードのように歩きながら踊る流し踊りの形式の二つの形で開催しています。今年のステージは、原宿口、神宮会館、代々木公園に2か所の計4か所に設置します。また流し踊りは、表参道アヴェニューと代々木公園ケヤキ並木の2か所で行います。

松井:多様な参加チームも特徴の一つです。東京だけでなく、北海道や高知県など日本各地から参加するチームや外国人で構成されたチームなど、今年は計106チームの約6,000人が参加予定です。