くらし 【特集】「すぎなみビト」ひきこもり家族会 飯田惠美子(2)

■自分の思いを抱え込まず、話してほしい
─理解への第一歩としてどんなことが大切だと考えますか?
ひきこもりを理解して受け入れるまでには、たとえ家族であってもとても時間がかかります。だからこそ、社会の中で理解を得ることが簡単でないのも事実です。誰しもなり得る可能性があること。本人が望んでそうなったのではなく、ならざるを得なくなってしまったのだということを、まずは知ってほしいです。知ってもらうことが、地域共生社会への第一歩になると思っています。そして、ひきこもりというのは、広く考えれば孤立・孤独の問題にもつながっています。だからこそ、優しい社会であることを願うし、社会全体で考えていくことが必要ではないかと思います。

─家族会への参加にハードルを感じる方にはどんな声をかけたいですか?
誰かの前で自分の体験を話すのは、勇気がいることかもしれませんが、皆さんの経験を聞きながら「うちだけではないんだ」と思うだけでも、きっと気持ちが少しだけ楽になります。そうすると、子どもへの接し方が変わっていくことも多いです。家族会に参加して気持ちを解放し、生きた知識を得ることは、ひきこもりを長期化させないための一つの近道でもあると私は思っています。フリーランス杉並家族会は行政と連携した安心・安全な居場所なので、ぜひ安心していらっしゃってください。

─今、子どものひきこもりに悩む親御さんへ伝えたいことは?
私自身の経験から一つ言えるとしたら「親自身が自分の人生を楽しんで」ということ。親が何かを楽しんだり、元気に活動したりしている姿を見ることで、子ども自身が「自分も生きていていいんだ」と思えるようになることも多い。私もそうでしたが、子ども以外の関心ごとを持つと、親自身の考え方や捉え方も良い方向へ変わっていったりするものです。私たちの家族会は、「生き方はいろいろあってもいいじゃないか」という思いからフリーランスと名付けられました。子どもの多様な生き方に寄り添い、理解するまでには何年もかかるかもしれない。だからこそ、ゆっくりとまず一歩、家族会へ足を運んでもらえたら嬉しいです。

■ひきこもり相談窓口「ゆるりと杉並」を開設しました
「ゆるりと杉並」では、ひきこもり状態にある方が、自分らしく生きることや、それを見守る家族が孤立することがないよう、一人一人の状態に寄り添った支援を行っています。

◇不安や悩みを相談してみませんか?
当事者やその家族の不安な気持ち・悩みなどを気軽にご相談ください。

日時:月~金曜日正午~午後8時(祝日・年末年始を除く)
申込み:電話・Eメール・LINEで、ひきこもり相談窓口
【Eメール】[email protected]
その他:来所・オンライン相談も可(事前申込制)

◇自身のペースで過ごすことができる居場所
月2回開催
「いきなり相談するのは…」そんな皆さんが、当事者同士で話し合ったり、参加者自身のペースで過ごしたりできる居場所です。

日時:第2土曜日・第3木曜日、午後2時~4時
場所:ウェルファーム杉並(天沼3-19-16)

詳細は、ひきこもり相談窓口「ゆるりと杉並」HPをご覧ください。

問合せ:ひきこもり相談窓口
【電話】6903-6004