文化 日の出町のあゆみ (10) ー文化編ー

※町制施行50周年を記念して、町の歴史・文化をシリーズで掲載しています。

■町を見守り続けている樹々たち
日の出町は、自然豊かな環境のなか天然記念物が多く指定されています。今回は、町で唯一の国指定天然記念物である「幸神神社のシダレアカシデ」と都指定天然記念物の「大久野のフジ」を紹介します。

◇国指定天然記念物「幸神神社のシダレアカシデ」
幸神神社のシダレアカシデは、昭和17年(1942)に国指定天然記念物に指定された際、「アカシデノ完全ナル枝垂トナレルモノニシテ姿態最モ優雅ナリ」と評価されたように、アカシデの変異種として枝垂れているのが特徴となっており、非常に稀有な存在です。
シダレアカシデの正確な樹齢は不明ですが、地元では700年と伝えられており、アカシデの通常の寿命が数十年と言われていることから、長寿であることも特徴のひとつです。
町では樹勢回復を目指し、保護事業を実施してきました。今年度は、日焼け防止のため「幹巻」と虫から樹を守るため「防虫ネット」の施工、落枝防止のため「支柱の更新」を行いました。
また、種の保全のため、遺伝子分析検査や組織培養を行っています。
今後も、関係機関と連携しながら、樹の保護と種の保全に努めていきます。

枝が枝垂れているのが特徴です。
樹勢が衰えておりますので、根の保護と落枝防止のため、柵の外から見学してください。

◇東京都指定天然記念物「大久野のフジ」
文化財としての名称は「大久野のフジ」ですが、地元では「大久野フジ」と呼ばれ、フジが町の花に制定されているように町のシンボルとなっています。フジが生えている場所が寺社地であったことから、近世以来伐採を免れ、現在に至っています。
大久野のフジは、周囲のアラカシやスギ等の樹に巻き付き、独特な樹形をしています。幹から離れたところからもフジが生えていますが、これは伸びた根茎の先から生えたものだと考えられています。
大久野のフジの花は丘の上の見晴台から見ることができ、町の観光スポットになっています。

大久野のフジの見頃:4月下旬~5月上旬
開花状況は、町ホームページでも公開しています。