くらし 伊豆大島ジオパーク ちょこっとコラム No.50

大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります。

■鍵層~地層を読み解く
伊豆大島の地層といえば迫力満点の「地層大切断面」が有名ですが、実は伊豆大島ジオパークのジオサイト「温泉ホテル駐車場露頭」もより安全に、より間近で見られる隠れた地層観察スポットです!この露頭では、カルデラが形成された後、6~12世紀頃の大噴火による堆積物を確認することができます。
露頭の美しい縞模様の中で一際目を引くのが、玄武岩質の黒い大地が広がる大島では珍しい白い層です(写真1)。これは838年神津島噴火による火山灰層で、噴火当時大島全体に降り積もりました(写真2)。このことから、白い層より下は838年以前の噴火の噴出物であり、噴火年代の記録は残されていませんが、9世紀初期に山頂付近で噴火が起こったことが導き出されました。
このように、地層の区分を行う際に一つの基準となる層を「鍵層」と呼び、地層の広がりや地下構造を明らかにする際の手がかりにしています。遠く離れた神津島から風に運ばれ大島までたどり着いた白い火山灰、地層観察が初めての方にも見つけやすいので、ぜひ間近でご覧ください♪
伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局

※写真は本紙をご覧ください