くらし ともに支えあうあたたかい町へ―八盛隊の想い―

10月に相次いで八丈島を襲った台風22号・23号。土砂災害、家屋の倒壊、停電や断水、道路の寸断など、私たちもこれまでにない厳しい状況を目の当たりにしました。そんな中で、八盛隊は「ともに支えあうあたたかい町」という想いを胸に、町と連携しながら、支援活動に取り組んできました。
八丈高校体育館避難所の開設と運営に関わり、住民の方々と一緒に避難生活を支え合いました。開設当初は、限られた支援物資による対応を覚悟していましたが、避難当初から、状況を知った島の皆さんが、個人、事業者を問わず支援を申し出てくださり、炊き出しや生活必需品などがどんどん集まってくるようになりました。そのひとつひとつに温かい気持ちが込められており、改めて地域のつながりの強さを感じました。給水車での給水支援にも加わり、水を求めて集まる方々に少しでも安心してもらえるよう声をかけながら、生活を支えるお手伝いをしました。また、南原スポーツ公園では災害ごみの受け入れ作業に携わり、町内全域の被害家屋調査にも参加しました。
こうした活動を通じて、あらためて感じたのは「この町のあたたかさ」です。私たち八盛隊は“支援する側”として動いていましたが、実際には多くの場面で、地域の皆さんに励まされ、助けられました。今回の大きな災害があっても、互いに手を取り合って前に進もうとする姿が、この島にはあります。八盛隊一同、その力強さと優しさを、現場の中で肌で感じることができました。
そして11月から、八盛隊は隊長・副隊長を交代し、新しい体制で活動を進めていきます。これまでの活動の中で得た学びやつながりを大切にしながら、「ともに支えあうあたたかい町」に向けた次の一歩へとつなげていきます。
私たちは、災害時だけでなく、日々の暮らしの中でも住民の皆さんに寄り添い、地域とともに歩む存在でありたいと思っています。これからも町や地域の皆さんと手を取り合いながら、八丈島をもっと元気で、あたたかい町にしていけるよう、一歩ずつ取り組んでいきます。

八盛隊隊長 佐藤佳穂子