くらし 熱気人(あつぎびと)

■技術を生かして学生服をリユース

クリーニング店代表取締役
井上 泰一さん(46・水引)

不要になった学生服のリユース販売を手掛けています。50年続くクリーニング店の技術を生かして、きれいになった学生服を届けています。
28歳の頃に父が亡くなり、会社を継ぎました。別の仕事をしていてクリーニングの知識はありませんでしたが、数カ月だけ父と一緒にした洗いや染み抜き、仕上げなどの作業を土台に、試行錯誤しながら覚えていきました。生地の特徴や汚れの種類を見て、どの洗剤で何分洗うか、どの順番で汚れを取るかを見極めます。同じクリーニングでも店ごとにやり方は異なり、特に染み抜きに力を入れてきました。
クリーニングの他にも何かできないかと思い、4年前に学生服の買い取りと販売を始めました。高価な学生服を手ごろなものにできればと始めた事業ですが、学生服は生地が丈夫で、毎日着るので汚れが多く、クリーニング店と相性が良いと感じています。洗っただけでは落ちない汚れを丁寧に落とし、スチームで形を整えると、新品のようにきれいになります。お客さんが商品を見て喜んでくれるとうれしく、従業員もやりがいを感じています。
これからは学生服の生地の丈夫さを生かして、アップサイクルなどができればと考えています。

(学生服のリユースを始めて4年で1万8000点を取り扱ってきた)