くらし 熱気人(あつぎびと)

■思いや物語を花に込めて

生花店　店主
黒田　博さん(37・中町)

生花店を開き14年になります。店頭販売に加え、オーダーメードのブーケや花を美しく生けるアレンジメントを作っています。
15歳の時に父が亡くなり、心にぽっかりと穴が空いた時、テレビ番組で見た花屋の花に向き合う姿や真っすぐな生きざまに胸を打たれました。「自分も花の世界に挑戦したい」。憧れを抱いた人への弟子入りを決意し、高校に通いながら花の種類やアレンジ方法などを一から学びました。夢中になれたことで、心の穴は自然に埋まり、23歳で生まれ育ったこのまちに店を開きました。
花は人生のさまざまな場面に色を添えます。ありきたりの物にならないよう、贈る人の伝えたい思いや物語を大切にしています。同じ種類でも、表情はさまざまです。オーダーに沿ったデザインに仕上げるため、色や大きさなど最適な花を選び仕入れています。渡す時に最もきれいな姿になるように花をお湯に浸したり、たたいたりと、ひと手間を加えることもあります。何種類もの花を組み合わせた作品が、お客さんの笑顔につながるのが何よりの喜びです。
これからも一人一人に寄り添い、特別な時間に彩りを添える花を届け続けたいです。