くらし 【Zoom Up】現場の状況をリアルタイムで確認 119番映像通報システムを導入

緊急時に通報者のスマートフォンで現場の状況を撮影し、消防本部の指令センターと共有できるシステムを10月から導入しました。火災や救急などさまざまな災害現場で活用し、迅速な消防・救急活動につなげていきます。

市内では昨年、約1万9000件の119番通報がありました。一刻を争う状況で、通報者が現場の状況や病気・けがの状態を声だけで説明するのは困難です。応急手当てが必要な場合に、「正しく処置できているのか不安」という声も上がっていました。現場の情報を正確に理解し、より素早い対応につなげていくため、スマートフォンからの映像をリアルタイムで確認できるシステム「Live(ライブ)119」の運用を新たに始めました。

◆現場の状況を映像で把握
システムはスマートフォンからの119番通報のうち、指令員が必要と判断した場合に使用します。通報者へ映像送信の協力を依頼した上で、指令センターからショートメッセージ(SMS)を送信。カメラで映像を共有できる状態にします。送られてきた映像から、指令員が出血の有無やけがの具合などを素早く確認し、状況に応じて応急手当ての方法などを指導します。口頭での説明が難しい応急手当ても用意された動画で通報者に伝えられるため、命を救える可能性が高まります(下記参照)。
システムを体験した星野咲子さん(49・飯山)は、「気が動転する状況の中、音声で全てを伝えるのは難しいため、映像を共有できるのは安心につながる。応急手当ての方法を動画で確認できるのも心強い」と話します。

◆いざという時に備えて
通報から救急隊到着までの初期対応で、救命効果は高まります。消防本部では、定期的に応急手当ての講習を実施し、心肺蘇生法やAEDの取り扱い方法などを伝えています。救急現場は、いつ居合わせるか分かりません。もしもの時に落ち着いて行動できるよう、日頃から命を救うための意識を高めましょう。

■Live119の使い方
電話で伝えにくい現場の状況を指令センターと映像で共有できるシステムです。

(1)スマートフォンの音声をスピーカーに切り替え、指令センターから送られるSMSを確認します。
(2)送られたURLを開き、注意事項などを確認した上で撮影を開始します。
(3)指令センターに映像が共有されます。指令員から、応急手当てなどの指示があります。

▽その他の機能
・位置情報を取得して正確な災害地点を特定
・動画で確認しながらの応急手当てが可能

▽利用上の注意点
・通報者の安全が確保できる場合のみ利用
・通信料などは通報者の負担

市広報番組あつぎ愛テレビ:11/1〜

問合せ:指令課
【電話】221-2331