文化 連載 ざま歴史再発見

■小田急と歩んだ座間の100年
今回は、小田急電鉄と座間との関わりについてご紹介します。1927年(昭和2年)の開業から再来年で100周年を迎える同社は、市民生活に欠かせない交通機関として愛されていますが、その路線網において、座間地域が占めた役割は無視できないものがありました。とりわけ、相武台前駅(開業当初は「座間」駅)は、座間支線構想(計画途中で頓挫)や、社員寮・車庫などの附属設備も設置され、小田原線における基幹駅の一つでした。現在も同駅付近に存在する引込線は、こうした開業時の姿を伝えています。
また、現在の座間駅(こちらは「新座間」駅として開業)では、相模川の砂利を東京方面へ搬出する運輸業も盛んに行われました。古写真に写された母子らの後方には、河畔から採取した砂利を本線まで運ぶ運搬軌道の一部(桟橋)が確認できます。相模野台地ののどかな一農村であった座間村にとって、小田急線の開通は、昭和という新たな時代の始まりにも重なるエポックメイキングな出来事だったのです。このほか、市内に残る数少ない近代建築として知られる相武台変電所も、やはり小田原線開業の年に建設されています。現在も現役で稼働しており、線路付近から外観を望むことができます。

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