子育て 非核平和推進研修体験記vol.2

平成4年に非核平和都市宣言を行った小千谷市を代表し、12人の中学生が8月4日~6日にかけて広島を訪れ、広島平和記念式典に参加しました。広報おぢや10月号に引き続き、貴重な体験から多くのことを学んだ生徒たちの声を紹介します。

■つながりで平和をつくる
小千谷中学校3年 伊林なな

研修を通して、戦争の悲惨さと私の研修テーマである「人と人とのつながり」について考えることができました。
原子爆弾によって一瞬で日常が奪われ、多くの命が失われました。しかし、そのような状況でも人々は互いに助け合い、支え合いながら復興の道を歩んでいったことや、悲惨な出来事の後でも希望を見つけ、未来へ進んでいこうとする人間の強さも知りました。
また、被爆者の梶本淑子さんの証言や、全国の若い世代の人たちとのグループディスカッションを通して、人と人とのつながりはその時代だけにとどまらず、時代を越えて受け継がれることで強い力になり、未来の平和を守る基盤になるのだと思いました。
研修で得た学びを、私たちのような次の時代を担う世代が忘れずに語り継いでいくことが大切だと思います。被爆者の方からの言葉に「無知と無関心は共犯者だ」というものがありました。みなさんも無知のままにせず、無関心にならず、平和について考えてみてください。

■私にできること
小千谷中学校3年 横山陽菜(ひな)

私は3日間を通して、調べただけでは分からなかった被害の悲惨さや人々の思いを知ることができました。
資料館で見た血の跡がついた服、黒焦げの三輪車、弁当箱、そして被爆者の方のお話。想像よりも残酷な事実を知り、胸が苦しくなりました。しかし、その事実から目を背けることなく、平和な日常を送れている今に感謝しなければならないと思いました。
私は今回の研修テーマを「自分にできることを考える」として参加しました。被爆者の梶本淑子さんの「関心を持ち、たくさんの人に伝えてほしい」という言葉を聞いて、研修で学んだこと、感じたことを自分の中で終わらせず、1人でも多くの人に伝えていきたいと考えています。また、千羽鶴を折るように小さなことでも行動すること、平和を願うことが平和につながると私は思います。これからも人に伝えたり、千羽鶴を折り続けたりと、「私にできること」を考えるだけでなく、行動に移していきたいです。

■大切な人の思いを
東小千谷中学校1年 中野莉緒(りお)

あなたの大切な人は誰ですか。もしもその人がある日突然皮膚がただれ、本当にその人なのかもわからない姿になっていたら、あなたは耐えられますか。このような出来事は、80年前広島で実際に起きたことです。今を生きている「あの日」を知らない私たちが「あの日」何が起きたかを知り、もうあのようなことを繰り返さないために、私たちは過去から学ぶことを続けなくてはいけません。
14歳で被爆した梶本淑子さんは「大切な人と戦いたくないでしょう?」と語っていました。「ほかの国にお友達をたくさん作ってください。だってその友達と戦いたくないでしょう?」とも話していました。
80年前の、もう思い出したくないくらい悲しい広島の出来事を伝えてくれる方がいる一方で、今もいろいろなところで戦争が起きています。過去の戦争が起こした悲惨な出来事を決して忘れず、戦争のない世界を目指していきましょう。

■被爆の恐ろしさ
千田中学校3年 村山大翔(たいが)

私は、今回の研修のテーマを「被爆後の広島の人の生活」にしました。
1日目の平和記念資料館では、被爆直後の悲惨な広島の写真や絵などを見学しました。自分が思っていた以上に原爆の被害は大きく、広島の人の暮らしを奪ったことが分かりました。
2日目は、全国の学生とグループディスカッションをしました。いろいろな人と意見を交わすとてもよい機会になりました。また、被爆された方の話を聞き、被爆時の広島の惨状を知ることができました。
3日目は、平和記念式典に参加しました。これ以上戦争や核の使用がなくなるにはどうすればいいか、じっくり考えることができました。
この研修をきっかけに、自分でも平和について深く考えてみようと思います。

■つなぐ平和
片貝中学校3年 𠮷井瑠菜(るな)

「平和は守らならければ壊れてしまう」広島での研修で、私はその事実を突きつけられました。私の研修テーマは「戦争でどのような被害があったかを理解する」でしたが、展示されていた遺品や写真は、言葉よりも強く戦争の悲惨さを語っていました。
平和はただ願うだけでは続きません。行動し、次の世代に伝えていく努力が必要です。やがて被爆者の方がいなくなり、直接声が聞けなくなる時代が来ます。そのとき、過去の出来事を忘れてしまうことは、これまでの努力を踏みにじることだと感じました。戦争の影響で、将来も夢も奪われた人が多くいる中、私たちは自由に将来の夢を語れる幸せな時代に生きています。私はこの幸せに生きられる時代を作ってくれた方々の思いを感じました。
私は今回の研修で学んだことを伝え続け、日々の行動で平和を大切にする姿を示していきたいです。未来を生きる1人として、受け取った思いを責任を持って次の世代に伝えていきます。

■広島研修に行って
南中学校3年 佐藤楓かえで

私の広島研修でのテーマは「原爆について理解を深める」でした。実際に派遣を通じて、その理解をより深めることができました。
理解できた1番の理由は、梶本淑子さんから被爆体験講話を聞けたことです。講話の内容は、被爆したときのご自身の体験でした。正直、私は聞くだけで胸が苦しくなりました。梶本さんの見た光景が、まるで自分がそこにいたかのように頭に浮かんできました。今までに抱いたことのない感情になりました。本当に怖かったです。梶本さんも話すたびに同じように怖くなるそうです。しかし、それよりも、もう他の誰にもこんなに怖い思いをしてほしくないという思いで話していると言っていました。このお話で、戦争の恐怖などへの理解を深めることができました。
これからは私も、より多くの人に理解してもらえるように語り継いでいきたいです。

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