- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県村上市
- 広報紙名 : 市報むらかみ 2025年4月1日号
令和4年8月3日からの大雨による災害で、大きな被害を受けた小岩内集落。災害の夜、公会堂に一度は避難しましたが、昭和42年の羽越水害の経験から、公会堂にとどまることは危険だと判断し高台へと避難しました。その2時間後、住宅が流され、公会堂にも大量の土石流が押し寄せましたが、命を落とした方はいませんでした。この奇跡的な経験を教訓として風化させることなく、後世に伝えるため絵本を制作しました。
制作を担当したのは、新潟デザイン専門学校クリエイティブデザイン科に在籍する3年生9人。彼らは現地を訪れ、取材や会話を通じて話を聞きながら、絵本を制作しました。
2月18日(火)には、新潟デザイン専門学校の学生や小岩内集落の方が参加して、絵本「小岩内のきせき」完成報告会を開催。学生代表から、小岩内集落元区長の松本佐一様、市長へ絵本の贈呈が行われました。
■絵本「小岩内のきせき」完成を迎えて
▽小岩内集落元区長 松本佐一(まつもとさいち)さん
立派な絵本を制作していただき、ありがとうございました。小岩内集落では、制作途中の絵本を見せていただき、いくつか修正をお願いしました。先生方や学生の皆さんには、お忙しい中、修正をしていただき、感謝を申し上げます。
災害から約2年半が経過し、時間が経つと災害の経験が薄れてしまうこともあります。しかし、この絵本を通じて、災害の経験を再確認し、避難指示が発令された際には適切に対応できるよう、日頃から準備をしていただければと思います。
▽(学)国際総合学園新潟デザイン専門学校副校長 畑野裕美(はたのひろみ)さん
絵本制作の機会を与えていただいた村上市、小岩内集落の皆さんに感謝を申し上げます。
災害をテーマにした絵本ということで、内容が重くなりすぎても難しく、しっかりとした取材をもとに、22ページに思いを込めた作品となっています。この絵本を通して、地域コミュニティーの大切さとともに、災害時の自助の対策を考えてもらうきっかけになればと願っています。
▽(学)国際総合学園新潟デザイン専門学校クリエイティブデザイン科3年 宮澤夏海(みやざわなつみ)さん
5月に取材のため小岩内集落に伺った際に、集落の方々から災害時の状況についてお話を聞かせていただきました。とてもつらい時間だったと思うのですが、貴重なお話を聞くことができ、この絵本に思いを込めて作成することができました。
完成度の高い作品になっているので、多くの人に手に取って読んでいただきたいと思います。
▽(学)国際総合学園新潟デザイン専門学校クリエイティブデザイン科3年 佐藤晴(さとうはる)さん
取材をする中で、小岩内集落の皆さんから災害のこと以外に住まわれている住民の温かさや集落内のコミュニティーなど、たくさんのことを学ばせていただきました。
今もなお、日本の各地で復興を頑張っている皆さんに、少しでも勇気づけられる作品になっていただきたいと思います。
■市内の図書館・図書室で手に取ってご覧ください
絵本『小岩内のきせき』は、中央図書館や朝日図書館、各地域の図書室で、貸し出しを行っています。ぜひ、手に取ってご覧ください。また、市のホームページでもご覧いただけます。
今回の絵本制作で協力いただいた新潟デザイン専門学校は、創造力と実践力を育むデザインの総合専門学校で、イラストレーションなど幅広い分野の専門知識と技術を学ぶことができます。詳しい内容は、学校のホームページをご覧ください。
問合せ:企画戦略課企画政策室
【電話】75-8925