- 発行日 :
- 自治体名 : 富山県小矢部市
- 広報紙名 : 広報おやべ 2025年3月号
「地域おこし協力隊」の梶内です。軽トラにいっぱいの材木を積んで来てくれたOさんと、「なんだかもう春みたいやわ。」と話していた矢先に降り始めた雪は降り続き、雪の大変さを身体に刻み込む日々を送っています。小矢部に移り住みもうじき2年になります。もう2年かという焦りと、随分永く居るような気持ちになるぐらい、素敵な出会いや多くの貴重な経験をさせて頂いています。まだまだ慣れないことも沢山あり、少し慣れてきたからこその不安や悩みも出てきました。時に神経が毛羽立ったり、落ち込んだりすることもあります。そんな時はいつも「やわやわ」が助けてくれます。僕ら夫婦は少なからず“夢と希望”を抱いてこの場所に移り住みました。だからこそなのか、年齢によるものなのか…笑。最近、子供たちや若者たちのことを考える機会が増えました。集落の大先輩方の凛とした姿が、僕にそう思わせるのかもしれません。“大人の都合のため”ではなく、純粋に真剣に彼らのことを考える。それこそが、地域の未来や様々な問題を解決するのではないかと考え始めています。“大人たち”が出来ることは、正しいと思うことを教えることではなく、少しでも多くの選択肢と、世界の素晴らしさを伝えること。自ら考える力と踏み出す勇気に対して、そっと背中を押してあげることなのではないか…と。かつて訪問したヨーロッパの美術館の多くでは、若い学生たちが名だたる名画や彫刻を、床やら階段に腰掛けて自由にスケッチする姿をよく見かけました。歴史と未来が繋がっているようなその光景をとても羨ましく感じました。それと同じような感情を小矢部にも感じています。先輩方が守ってきてくれた深い歴史がしっかりと残っている。「当たり前にここにある宝物」。“それ”を次の世代の選択肢の一つとして、未来に託すことが出来たら。なんてことを思うのです。時代と言う言葉で片付けられがちな、“じいちゃんと孫の橋渡し”が、ここではまだギリギリ可能なのではないかと勝手ながら感じております。雪に残された動物の足跡を探すのが朝の楽しみになりました。動物の痕跡に勝手な物語を想像するひとときに豊かさを感じる今日この頃でもあるのです。
地域おこし協力隊
@oyabe_satoyamalife