- 発行日 :
- 自治体名 : 富山県舟橋村
- 広報紙名 : 広報ふなはし 2025年10月号
文部科学省は令和7年度の学力学習状況調査について、調査結果を7月14日に公表しましたので、舟橋小・中学校の児童生徒(小学校第6学年、中学校第3学年)の学力・学習状況調査(国語、算数・数学、理科の各教科及び質問調査)の結果について、報告いたします。
調査目的:義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から
・全国的な児童生徒の学力状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。
・学校における児童生徒への学習指導の充実や学習状況の改善に役立てる。
・そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
■舟橋小学校
今回調査された3教科すべての平均正答率が全国平均を上回り、国語科、算数科では県平均も上回っています。特に正答率が高かった設問の趣旨としては、国語科「情報の扱い方に関する事項や我が国の言語文化に関する事項」、算数科「数と計算やデータの活用」、理科「『地球』を柱とする領域」等が挙げられます。一方、「書く内容の中心を明確にし、内容のまとまりで段落をつくったり、段落相互の関係に注意したりして、文章の構成を考えること」、「増量の意味を解釈し、増量後の量が増量前の何倍になっているかを表すこと」、「問題に対するまとめを導き出す際、解決するための観察、実験の方法が適切であったかを検討し、表現すること」に課題がみられました。
児童質問紙からは、全体的に、児童は生活習慣が整い自己肯定感が高く、授業内容の理解度も良好であることが伺えます。また、読書活動や地域に対し貢献したいという意欲の高さが見られました。しかし、一方で学習に対する意欲が低い傾向が見られました。そのため、より主体的な学習態度を育んでいくとともに、学習したことを総合的に生かして自分の考えをまとめ表現する活動を意識的に取り入れたり、ICT機器のさらなる活用を推進したりして、学習意欲の向上に努めていきます。
■舟橋中学校
今回調査された3教科すべての平均正答率が全国平均及び県平均を上回っています。
特に正答率が高かった設問の趣旨としては、国語科「読み手の立場に立って表記を確かめ、文章を整えること」、数学科「反例を挙げて事柄が常に成り立つとは限らないことを説明すること」、理科「小学校での既習事項と観察内容を関連付けて分析・解釈すること」等が挙げられます。知識・技能を活用する思考や表現(類論を伴う課題等)に取り組んだ成果がみられます。また、記述問題にて、全国及び県よりも高い正答率となった一因は、昨年度に取り組んだレポート学習にもあると思われます。
一方、今後の課題として着目すべき設問の趣旨としては、国語科「根拠を明確に考えること、書くこと」、数学科「確かとなった事柄を基に、新たな関係等を見いだすこと」等が挙げられます。日々の授業において、「明確な根拠に基づく論理的な思考場面」や「筋道の通った考えを言語化する活動」を意識的かつ継続的に実施していく必要があります。理科では、単元によって「思考の根拠となる知識・技能が身に付いているか、概念として理解されているか」といった課題がみられ、授業だけでなく家庭学習における定着を図っていく必要があります。
生徒質問紙の結果によれば、タブレット等を活用した情報収集(検索や調査)や文書作成(レポートや意見、コメント)、意見発表の工夫(資料活用・組み立て)、学びや気付きのある話合い活動等に関する質問において、肯定的回答の割合が全国及び県の平均を上回っていました。課題解決を意識した「ふなはし『学び合い』スタイル」においてもICT活用が進んでおり、効率的な意見や情報の共有・集約・比較・可視化等が図られています。平日の家庭学習にかける時間については課題が残りますが、今年度から改訂した「TODOリスト付き生活ノート」を活用し、学習やメディアにかける時間の自己管理を促していきます。
これらの分析から、課題となったところの改善を図るとともに、小中一貫教育の中で、タブレット端末などの情報通信技術(ICT)を積極的に活用し、基礎的・基本的な知識の定着を図りながら、自ら課題を見つけ解決していく探究的な学びにつながる学習を展開していきたいと考えています。