くらし 【特集】火事、事故、急病…そのとき、どうする?(2)

緊急時には、不安や焦りでうまく動けないもの。そんなときに通報者をサポートする「映像通報119」が、昨年10月から福井市で運用されています。スマートフォンから119番に通報するとき、消防の指令員からの依頼を受け、傷病者の状態や現場の映像を消防に送信できる仕組みです。音声通話に加え、映像で明確に状況が伝わり、迅速で適切な消防・救助活動につながります。また、応急手当てが必要な急病人やけが人への効果的な手当ての指導が受けられることで、通報者のいち早い応急処置による救命率向上が期待できます。

◆どんな仕組み?―映像通報119―
(1)電話で通報
119番通報

(2)通報内容に応じて指令員が映像撮影の協力を依頼

(3)指令員が通報者の携帯番号宛てにショートメールを送信
音声通話はつないだままで

(4)通報者は届いたURLにアクセスし、傷病者や現場の様子を撮影

(5)映像を通して指令員が現場の状況を確認し、必要な応急手当てなどを伝達

「現場の状況がよく分かります」
管制課 黒川消防士長

◇こんなときに役立つ!
・言葉では説明しづらい災害現場のとき(複数台の車が絡む交通事故など)
・通報者に心臓マッサージ、止血などの説明動画を送信し、手当ての指導を行うとき
・火事現場や延焼状況を把握するとき

◇事前の登録やアプリのインストールは不要
GPS(衛星利用測位システム)を有効にすることで、位置情報が消防に送られます。
※映像送信にかかる通信料は通報者負担となります。

◇自衛消防訓練で映像通報を体験!
藤島園 山田裕一さん
倒れた人の状態を自分で判断できないとき、映像を見た指令員から適切に指示してもらえるのは安心します。心臓マッサージの動画を送ってもらい、テンポを合わせながら処置できるのもやりやすかったです。

◆命のバトン、つないでください!
福井市消防局は、助けを求める市民の皆さんの声に、いかなるときも迅速かつ的確に応えるため、日々訓練を重ね、24時間365日体制で消防・救急・救助活動に取り組んでいます。また、事故や災害を未然に防ぐため、市民への防火・防災の普及啓発を行っています。しかし、被害を最小限に抑え、一人でも多くの命を救うためには、消防隊員の力だけではなく、皆さんの力が必要です。緊急時にどう動けばいいか事前に備えることが、いざというときに自分自身や自分の大切な人、誰かの大切な人を守ることにつながります。消防隊員も全力で現場に駆けつけます。到着までの自分の行動が誰かを救うかもしれないと考えて、何か一つでも実行し、命のバトンをつないでください。

119番通報するときは、まずは落ち着いて状況を伝えてください。救急車が到着するまでに通報者が心臓マッサージなどの処置を行うことができれば、搬送者の命が助かる確率が大きく変わります。1分1秒を争う場面では、私たち隊員が到着するまでの、途切れのない処置が重要です。日頃から防災訓練や救命講習に参加し、頭で理解するだけではなく、体で手順を覚えておきましょう。落ち着いて、勇気を持って行動を起こしてください。
中消防署救急隊 加藤消防士

◆CHECK
命を助けるため、救命講習を受講し、AEDの取り扱いを含めた救命処置や応急手当ての方法を身に付けましょう。

◇この夏にステップアップ!普通救命講習
(本紙p.12参照)

◇年間を通じて開催中!今年度の救命講習の開催日程はこちら
※二次元コードは本紙をご覧ください。

消防局では、火災や事故から市民の生命と財産を守り、皆さんが「安全」と「安心」を実感しながら生活できるよう活動しています。皆さんも日頃の備えにご協力をお願いします。
福井市長 西行茂

問合せ:消防総務課
【電話】20-3996【FAX】20-3119