- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県美浜町
- 広報紙名 : 広報みはま 令和7年5月号 No.652
■戦国三英傑入城記念に寄せて~春の国吉城址を満喫しよう!~
読者の皆様は、本紙の発行日である4月23日が、どのような日かご存じでしょうか?
この日は、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の「三英傑」と称される武将たちが国吉城を訪れた日で、令和7年は455年目に当たります。
永禄(えいろく)13年(1570)4月20日、信長は約3万の軍勢を率いて京都を出陣しました。22日、若狭国熊川に入り、元号が「元亀(げんき)」と改まる翌23日に国吉城に入城し、2日間の滞在を経て、25日に越前朝倉氏が治める敦賀に侵攻しました。その日のうちに天筒山(てづつやま)城を攻め落とし、翌日金ヶ崎城が降伏開城しました。いよいよ、木ノ芽峠を越えて一乗谷に向かおうとした矢先、信長の妹婿である北近江の浅井長政が背後を襲おうとしているというしらせがもたらされました。信長は秀吉や明智光秀らに殿(しんがり)を命じ、自身は少数の供廻(ともまわ)りで近江国朽木谷(くつきだに)(高島市朽木)を越え、30日に京都に撤退しました。この撤退戦が、後年秀吉の立身出世の糸口として語られる「金ヶ崎の退(の)き口」です。
来年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』は、秀吉の弟である秀長の視点で戦国時代を描くことが発表されました。「金ヶ崎の退き口」はどのように描かれるのか、また国吉城は登場するのか、期待が高まります。若狭国吉城歴史資料館では、放送期間に合わせて、豊臣秀吉ゆかりの地であることをPRする計画を進めています。その機運を高めるにあたり、この春には国吉城の歴史に触れるイベントを予定しています。
5月6日に佐柿で開催される「国吉城まつり」では、ステージイベントや国吉城址見学会のほか、国吉城主粟屋氏のご子孫と資料館館長によるトークセッションを行います。この方は、豊後国臼杵(うすき)(大分県臼杵市)の領主稲葉氏に仕えた系統(臼杵粟屋氏)の末裔に当たり、現在書家として活動していらっしゃいます。
子孫が語るご先祖の姿に注目が集まります。また、イベント開催記念に発行する国吉城の御城朱印は、ご子孫に直書きで揮毫していただきます。これに先駆けて、国吉城址・資料館周辺に咲くシャガの花の見頃に合わせた期間限定御城朱印を発行しますが、こちらもご子孫に揮毫していただいています。
新緑の野山が美しく、心地よい風が吹き渡るようになりました。行楽シーズンのお出かけ先として、450年の歴史と城主粟屋氏のご縁を体感できる国吉城址はいかがでしょうか?ぜひ皆様のご来城をお待ちしております。(若狭国吉城歴史資料館)