くらし 豊かさと幸せを追求する(1)

■令和7年度予算特集
県民の皆さんの生活をさらに強靱化し、山梨から世界に目を向けていくことを目指すー。
県はその計画を盛り込んだ令和7年度当初予算案を2月定例議会に提出しました。
「県民生活強靱化元年」と位置付けた令和6年度以上に、県民生活に寄り添い、国内外の集合知を活用して、各施策を「県民生活強靱化2.0」へと昇華させます。
さらに、国内だけを見ていては「持続可能な未来」を山梨の子どもに残すことができないとの危機感から、各分野の取り組みで目線を「世界基準」に上げることを強く意識した予算を組みました。

◇県民生活強靱化2.0予算
「ふるさと強靱化」を土台に、「開の国」を目指す

一般会計当初予算額:5,115億円

◇[POINT]「世界基準」の目線と「県民生活強靱化2.0」へのアップデート
(1)「ふるさと強靱化」と「『開の国』づくり」の取り組みを進化・飛躍
(2)人口減少危機対策、水素社会の実現、国際交流の拡大、新たな挑戦への支援については積極的に予算計上
(3)財政の健全性・持続可能性の確保

県の負担を最小にする一方で最大の効果を上げられるよう、国の補助金や将来の県の負担が少ない有利な地方債を活用しました。その結果、県の借金である県債予算のうち国が将来負担する割合は41%と依然高い水準を維持しています。また実質的に県が負担する県債残高(防災・減災分除く)については6年連続で減りました。こうした工夫で、県の貯金である主要基金から取り崩す額を抑制しました。

◆ふるさと強靱化
ー県民が安心して高水準の豊かさや幸せを追求できる社会へー
「県民生活強靱化2.0」へのアップデート。令和7年度当初予算が目指すのは、県民の皆さんが安心して高水準の豊かさや幸せを追求できる社会への進化です。国内市場が縮小する現状を踏まえて、目線を世界基準に上げることを強く意識していきます。「ふるさと強靱化」が目指す姿の一つは、将来にわたり安定して利益を得られる体質を県内の全ての産業に埋め込み、その利益が個々人に還元されるサイクルを構築することです。これにより、皆さんが将来の見通しに確信と安心を持つことができる社会づくりを推進します。
若者が「頑張れば報われる」という実感を持てれば、未来に希望を抱くようになり、家庭や子どもを持つことで人口減少危機の解消につながるでしょう。また、多様化・複雑化するケアラーへの支援や、災害対応力の強化といった、生活を取り巻く不安やリスクを取り除くことにも全力を挙げます。さらに、水素社会の実現に向けて、この分野のトップランナーとして前進します。

◇[PLAN1]ケアラー支援とフリースクールの利用助成
団塊の世代全てが後期高齢者となる今年、ケアラー支援を重点施策に位置付け、介護離職ゼロ社会の実現に向けた取り組みを進めています。
多岐にわたる支援情報を一覧でき、生成AIによる相談対応の実証も盛り込んだ「ケアラー支援ポータルサイト」の運用を4月から始めます。また、ケアラーが介護サービスを速やかに享受できるよう、フェイス・トゥ・フェイスで支援機関までのつなぎをサポートする伴走支援体制の予算化も検討しています。家族ケアの在り方が多様化・複雑化する中で、不登校児童・生徒を抱える家族が大きな負担を抱えている現状が浮かび上がりました。令和5年度の県内公立小中学校の不登校児童・生徒数は2189人と、10年間で2・7倍に増加しており、そのうち3割以上が何の支援にも繋がっていない現状が把握されました。
そこで、不登校児童・生徒の多様な学びの機会と居場所の確保に加え、家族の負担軽減を図るため、市町村と連携しフリースクールの利用料助成を始めます。
また、不登校対策のための支援策をパッケージ化して取り組みを強化していきます。その一つが、不登校児童・生徒を抱える家庭の社会的つながりの回復に必要な施策を検討するための実態調査です。さらに、「ケアラー支援ポータルサイト」への不登校児童・生徒への支援策の追加や、スクールソーシャルワーカーの養成・増員を検討します。