- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県山梨市
- 広報紙名 : 広報やまなし 2025年8月号
戦後80年 8.15
■終戦記念日に想う〝戦後教育と平和の大切さ〟 大村 髙
8月15日終戦記念日、例年、東京の会場で、天皇・皇后両陛下が御臨席、終戦記念式典が開催され、平和の大切さが再認識される。
私は、昭和16年4月加納岩国民学校入学、12月8日世界大戦開戦、戦時下で初等教育を受ける。当時の学習・生活は、戦勝を信じ、目指し、耐える精神力・体力づくりが重視された。教科学習外に、団体訓練、竹やりや長刀などの技、勤労・食糧生産活動、農作業、空襲に耐える防空壕づくり、夜間の電灯制限、食事は麦・粟の入った米飯、家族で分け合う等々、戦時の生活が思いだされる。戦勝を祈願する神社参拝、絵画学習は、海・陸・空で敵軍を攻撃、勝利の描写等々である。現在では想像の付かない質素な中、恩師、知人、友人、家族を大切にする人間愛のある生活であった。
昭和20年8月15日敗戦、終戦の報道、全土が廃墟、満たされない衣食住、空腹時代、「戦争から平和」に向けての新時代、政治・経済・社会、教育も180度の大転換である。
戦後の新教育は、「主権在民」、「戦争放棄」、「基本的人権」を基本理念とする日本国憲法をもとに、教育基本法、学校教育法、学習指導要領等教育関連法が制定、「六・三・三・四制度」、「男女共学」、「個性尊重」の新しい制度で〝平和教育〟が始動する。10年過ぎた昭和30年代、新しい政治・経済の下、国民生活、新教育が定着、充実・発展、戦後の新時代を迎える。
私は、山梨市加納岩小・中学校、山梨県立日川高校、山梨大学で学び、昭和30年代から横浜市の教職に就き教育実践、教育委員会での教育行政、国の学習指導要領等、またNHK教育放送理科番組の編成、出演などに関わる。戦後教育に携わり70年、感慨深い日々である。
■第2回山梨市平和のための戦争展