くらし 地域とともに 市立病院・診療所からのお知らせ

今月は甲陽病院からのお知らせです

■住み慣れた地域でいつまでも
院長 中瀬 一
当地は高齢化率約40%と非常に高く、日本の30〜40年後の数値です。「高齢者」の定義は65歳以上なので、言葉の持つ印象と現実との乖離があると感じます。しかし年齢を重ねると疾患にかかりやすく、怪我あるいはすでに慢性疾患にり患している人が多いこともまた事実です。
背景にはサルコペニアやフレイルという現象が一因として挙げられます。サルコペニアとは筋肉量とその機能が低下する現象であり、フレイルはサルコペニアに加えて気力や社会との関わりの低下により要介護状態に陥りやすくなる現象です。急な体調不良、慢性疾患の急な悪化などを繰り返しやすくなるのが高齢者の特徴です。
当院はこのような当地の特徴を踏まえて「住まうように治す」ことを目標としています。そして重大な疾患に対する高度な治療は山梨大学病院をはじめとする各基幹病院と連携をして対応しています。
時々入院を差しはさみながらも住み慣れた地で快適な人生を送ることを支える「地域多機能病院」として皆さんのお役に立ちたいと考えています。

○「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP) について
「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)、愛称「人生会議」とは、もしもの時のために、自分が大切にしていることや望んでいること、どこで、どのような医療・ケアを望むのかを前もって考え、周囲の信頼する人たち(ご家族や、かかりつけ医、医療・介護関係者など)と共有する取り組みです。
当院も入院された方やご家族にACPに関するお話をすることがあります。お聞きする内容に“延命治療”や“最期の場所”などもあり不快な感情を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。また、ご家族も本人がどのような希望をされているのか日頃から家族間で共有していないと急に聞かれても戸惑ってしまいます。
ACPは、人生100年時代を迎える今、住み慣れた地域で自分らしく暮らしていくための重要な取り組みのひとつです。地域の皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。

問合せ:甲陽病院
【電話】32-3221
【FAX】32-7191