健康 特集 暑い夏こそ健康に(1)

気温や湿度が高くなるこの時期は、熱中症の発症リスクも高まります。
熱中症は熱によって起きるさまざまな体の不調のことをいい、暑さによって体温調節機能が乱れたり、体内の水分量・塩分量のバランスが崩れたりすることで発症します。
特に子どもや高齢者に多く、全国的に死亡者数も増加。熱中症は侮ってはいけない身近な病気です。
一人一人が適切な予防方法を身に付けて実践し、みんなで元気に暑い夏を乗り越えましょう。

■熱中症による救急搬送件数(月別)
(2024年5~9月 中野市)

◆中野市の発生状況
2024年、まだ体が暑さに慣れていない5月から発生し、徐々に件数が増え、8月は11件に上りました。
農作業や草取り、建設作業など屋外での作業中に発生しているほか、高齢者がエアコンを使用していない屋内でぐったりしているところを発見された事例もありました。

◆最初の処置が肝心!
熱中症になった場合は、まず風通しの良い日陰やクーラーが効いている部屋など涼しい場所に避難しましょう。
次に、脱衣と冷却です。上着を脱ぎ、きついベルトやネクタイ、下着を緩めて風通しを良くします。保冷剤やぬらしたタオルなどで体を冷やし、水分を自分で飲める場合は、できるだけ冷たい経口補水液などを飲み、十分に休憩を取りましょう。
意識がはっきりしない場合や、吐き気やおう吐が見られた場合は、水分が気道に流れ込む可能性があるため無理に飲もうとせず、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診しましょう。

○冷やす場所
太い静脈がある部分に、
・保冷剤
・冷えたペットボトル(タオルでくるむ)
・ぬらしたタオル
などを当てて冷やしましょう。

○熱中症の症状と重症度分類

◆Interview
○緊急・重症時は我慢せず119番を
実際に救急搬送した現場で多いのは、エアコンが未設置または使用していない事例です。体調が悪くなってからではなく、室温をこまめにチェックしてエアコンや扇風機を使用するようにしましょう。
吐き気やおう吐の症状がある場合は迷わず救急車を呼んでください。特に、子どもや高齢者は自分で体調の変化に気付きにくく、周りが気付いた時には重症化していることもあります。「休んでいれば治る」「救急車を呼ぶのは気が引ける」などと我慢せず、症状に合わせて適切に行動してください。

岳南広域消防本部
中野消防署 青木力杜(あおきりきと)さん