- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県飯山市
- 広報紙名 : 広報飯山 令和7年9月号
『地域計画』とは…
10年後、地域の農業をどんな農業にしていきたいか、大切な農地を、どう守り、次の世代につないでいくのかを地域の(そこに住んでいる)農業関係者等で話し合い、目指すべき将来の農地利用の姿(目標地図)を明らかにする計画です。
■飯山地区の地域計画の取り組みについて
飯山地区農業委員 高澤富士子
飯山地区は市街地を含みながらも、多くの小規模農地が点在する地域ですが、千曲川に沿った堤内農地や木島地区側の堤外農地も一部飯山地籍であること、地区北部の有尾に広がる田畑や県道飯山斑尾新井線沿いの山間部にも広く農地があります。
『地域計画』とは、将来に向けて大切な農地を守り、その地域の将来の農業の在り方をどのようにしていきたいのか地域の農業者を中心に地区全体で考えていくものです。何もしなければ、ただただ個々の農業者の離農が進み、荒れ果てた農地が増える一方です。そこで、地域の農業関係者で話し合い、相互理解のもとで農業を含めた地域全体の土地利用を考えていこうというものです。
農地は長年にわたりその売買には制限が設けられる等、農地を守っていくための施策が考えられてきました。しかし、昨今の人口減少や離農の実情に即し、農地の売買における制限は緩和され、さまざまな人が農業に関わることのできる環境が整いつつあります。その一方で、現在農業を担う人々の高齢化は否めず、将来の農地の利活用を「今」考えなければならないことが必要に迫られています。
飯山地区では、まず現状をしっかりと把握することを大前提に目標地図を作成しました。
農地を所有する認定農業者、新規就農者の他、中間管理機構より農地を借りている農業者等を軸に、10年後の耕作の可能性を鑑み、75歳以下の農業者、自作・借入面積又は水稲生産計画書で作付面積が10アール以上の農業者等をピックアップして名簿作成し、それをもとに地図に落とし込む作業を行いました。これが飯山地区の地域計画になっています。
飯山地区の課題は、小規模な農地が多く、温暖化の影響による生産量の減少や、生産コストの増加等による離農が更に進むだろうと考えられることです。地区内に点在する農地の集約は簡単ではありませんが、地区内で担い手を確保できない農地に関しては、農地中間管理機構を活用し、地区外も含め新規就農者や農業法人等も視野に入れた多様な経営体への貸付を検討するなど、将来に向けた農地の維持について検討を重ねていきたいと考えています。
地域計画は、一度作成して終わりではありません。常に地域で話し合いを続け、目指すべき農業の姿に向けてこれからも皆さんで取り組んでいきましょう。