- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年8月号
■SNS型ロマンス詐欺の手口
第1章 出会い
A子さんのもとに、ふと届いた一通のメッセージから、ロマンス詐欺は始まります。
『Hi!突然のメッセージごめんね。プロフィール写真を見て、君の笑顔が素敵だと思ったんだ。良かったら友達になってくれませんか?』
『え、外国の人? でも丁寧な日本語だし、プロフィール写真も真面目そう』
相手はプロフィール写真に別人の写真を使用し、多くは外国人を装って接触してきます。
第2章 甘い言葉
それからというもの、海外で仕事をしているという彼から、A子さんには毎日のようにメッセージが届きました。
会ったことのない相手でしたが、優しい言葉にA子さんの心は少しずつ惹かれていきます。
彼は「母が病気で治療費が必要」と誠実さを見せつつ、「将来一緒に暮らすために投資口座を作った」と甘い言葉でA子さんを信じ込ませていきました。
第3章 突然のお金の話
『口座を動かすのに手数料が必要なのに、母の治療費が思ったよりかさんでしまって…。どうしても君に助けてほしい』
『絶対に返す。全部終わったら、日本に行って必ず君に会いに行くから』
甘い言葉にだまされてお金を振り込んでしまうと、その後、一切連絡が取れなくなってしまいます。
◇対策のポイントと解説
プロフィールや写真にだまされない!
・美男美女の写真が多く、すぐに会えないように外国人や海外在住設定にしているケースが多いです。
・SNSやマッチングアプリの名前、プロフィール画像などを検索してみるのも詐欺に気付く方法です。
・出会って数日以内に“恋愛モード”に入る相手は、詐欺の可能性大です。
会えない理由を繰り返す人は信用しない!
・ビデオ通話や直接会おうとすると、何か理由をつけて断ってくる場合は、詐欺を疑いましょう!
・一度相手を信用してしまうと、被害額が高額になりやすいのがロマンス詐欺の特徴です。恋愛感情が強くなる前に詐欺だと気付くことが大切です。
会ったこともないのに結婚は詐欺!
・「一生一緒にいたい」「結婚資金を作ろう」など、相手から甘いメッセージが届きますが、会ったこともない人と恋人関係になったつもりにならないよう注意しましょう。
会ったことない人にお金を振り込まない!
・会ったことがないのに「お金を貸してほしい」は100%詐欺です。
・最初は、少額の要求ですが、徐々に要求がエスカレートしていきます。
・一度、恋愛感情を抱いてしまうと本人だけだと気付けないこともありますので、家族や友人が気付いて止めてあげることも大切です。
■東御市消費生活センターに実際に相談が寄せられた事例
◇ケース1 差金決済投資詐欺
「SNSで出会った投資のプロ」
SNSを通じて、ある女性から友達リクエストが届きました。何気なく承認すると、その後SNSで連絡を取り合うようになりました。
女性は「知人が投資に詳しい」と話し、「一緒に投資をしてみないか」と勧めてきました。
私は投資経験も知識もなかったので最初は断っていましたが、最近NISAやiDeCoの話題も多く、子どもの学校でも投資教育が始まったと聞き、「勉強してみようか」と思うようになりました。
女性から紹介された知人(A)は「投資に詳しい学者」とのことで、SNSで直接連絡を取るようになりました。Aからは多くの投資情報が届き、次第に信用してしまいました。
Aの指示で投資用の口座を開設し、運転免許証の画像を送りました。契約書などはなく、CFD(差金決済取引)を勧められました。最初に5万円を振り込むとすぐに7000円の利益が出て、さらに信用してしまいました。
その後、指示された口座に10回ほど振り込みを続けましたが、いざ出金しようとすると「手数料を払わないと出金できない」と言われました。
投資先を調べても連絡先が分からず、拠点は海外にありました。
振込先の名義が毎回違うことにも疑問を感じましたが、「投資額に応じて振込先が変わる」と説明され、信じてしまいました。
最後には「保証金を払わないと出金できない」と追加の入金を求められ、おかしいと思って女性に「警察に相談する」と伝えると、「Aは有名人だから困る」と言われ、不安になり消費生活センターに相談しました。
◇ケース2 副業詐欺
「遠隔操作でサポートは借金の始まり」
「スマホで簡単にお金が稼げる」とネットの広告で見かけ、写真を撮ってコメントを投稿するだけで報酬がもらえるというサイトに登録すると、すぐに担当者を名乗る相手から電話があり、「誰でも携帯だけで隙間時間にできる」「携帯に詳しくなくても高額サポートコースに入れば月50万円稼げる」と勧誘されました。
サポートコースの料金は高額で、お金がないと断ると「稼いだ分で返せばいいから大丈夫」と言われ、遠隔操作アプリを入れるよう指示されました。
相手の指示に従って操作をすると、知らない間に消費者金融の申し込みが進められており、申込書には実際とは異なる内容を書かされました。その結果、2社からそれぞれ50万円ずつ借り入れ、いったん自分の口座に振り込まれたお金を相手が指定する個人口座へ送金させられました。
「サポート担当」と名乗る人から電話があり、言われるがままに、フリマサイトのIDを作っただけで、稼げないまま借金だけが残り、解約を申し出ると「違約金を払え」と新たな請求があり、消費生活センターに相談しました。
◇もし詐欺にあってしまったら
一人で抱え込まずに、すぐに相談することが大切です。被害に気付いたときは、迷わず警察に連絡してください。
少しでも「おかしいな」と思ったら、家族や友人、近所の人に話すだけでも、被害を防ぐきっかけになります。また、市役所の消費生活相談窓口でも、被害の相談や助言を行っています。
「もしかして詐欺かも?」と思ったら、振り込む前に! 送る前に! 必ず相談! みんなで被害を防ぎましょう。
◇詐欺に関する相談窓口
上田警察署 生活安全課【電話】22-0110
東御市消費生活センター(市役所1階)【電話】75-2410
東御市交番【電話】62-0104
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。