文化 [特集]江戸から令和 つなぐ次の百年へ
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- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年10月号
■開宿400年 北国街道 海野宿
江戸時代初期に宿場町として開かれた海野宿は、今年で開宿400年を迎えました。千曲川沿いに残る卯建(うだつ)や格子戸の町並みには、今も当時の面影が色濃く残っています。四世紀の時を超えて守られてきたこの景観と、人々の営みを改めて見つめ直し、先人が築いた町並みと文化の価値を次代へとつないでいきます。
本特集では、これまでの歩みを振り返りながら、次の百年へとつなぐ物語をひも解きます。
■佐渡から江戸へ続く〝金の道〟 北国街道・海野宿
◇「海野宿」と「金の道」
江戸時代、佐渡金山で掘り出された金や銀は、幕府の財政を支える貴重な資源でした。その金銀を江戸へ運ぶため、北国街道沿いには多くの宿場町が整備され、海野宿もその重要な拠点のひとつとして栄えました。
人と物の流れが集まるこの場所では、旅人が宿でひと息つき、馬を乗り継いで役人が行き交い、地域の暮らしや経済を支える大切な拠点となっていました。
このように単なる物流の道だけでなく、経済や商業文化の発展を支えたことから北国街道をはじめとする街道は「金の道」と呼ばれています。
◇重要伝統的建造物群保存地区
北国街道の宿場町としての役割を終えた後、海野宿は養蚕業で繁栄しました。1980年には、本海野区を母体とした海野宿研究会が発足、住民を中心に町並み保存の気運が高まり、1987年には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
江戸時代から昭和初期に至るまで時代ごとの特徴を持ちながら伝統的形式を維持している点が評価されました。
以降、修理補助金等のしくみが整えられ、住民を中心に地域の行事や町並みが守られてきました。
◇海野宿開宿400年を迎えて
今年、海野宿は開宿400年という大きな節目を迎えました。江戸時代から続くこの宿場町は、地域の暮らしを支えながら歴史を積み重ねてきました。
しかし、少子高齢化など時代の変化は確実に進んでいます。だからこそ、歴史を守るだけでなく、新しい価値を加えて未来へつなぐことが大切です。先人から受け継いだ宝を次の世代へどう手渡していくか、一緒に考えてみませんか。
■海野宿のこれからを考えるイベント
▽魅力発見!まち歩きイベント
海野宿に暮らす住民が案内人です。住民だからこそ語れる話に耳を傾けながら、海野宿の隠れた魅力を発見してみませんか。
日時:10月19日(日)午前9時~正午
集合場所:海野宿ふれあいセンター
申込不要
▽海野宿修理・空き家相談会
歴史的建造物の修理や建物の継承について専門家に相談できます。
日時:10月19日(日)午後1時~午後3時30分
場所:海野宿ふれあいセンター
申込方法:左記の二次元コードまたは文化振興係(【電話】71-0670)までお申し込みください。
※二次元コードは本紙参照
■今年の海野宿ふれあい祭りは〝前夜祭〟から
▽海野宿ふれあい祭り前夜祭
今年の「海野宿ふれあい祭り」では、初めて前夜祭を開催します。
歴史と伝統が息づく白鳥神社の境内で、秋の夜を彩る音楽と交流のひとときをお楽しみください。
日時:11月1日(土)午後5時~午後7時
場所:白鳥神社境内
内容:白鳥神社でジャズバンドコンサートや和太鼓演奏、ワインバーなどを開催します。
▽海野宿ふれあい祭り400年記念ver.
400年の節目を記念した、特別プログラムを開催します。
踊り・太鼓・ダンス・芸術が一堂に集う、にぎやかで華やかな一日。古き良き伝統と若い世代のエネルギーが融合する特別な祭りを、ぜひご体感ください。
日時:11月2日(日)午前10時~午後3時
場所:海野宿街道周辺(歩行者天国)
内容:
・信州大学YOSAKOI祭りサークル演舞
・長野大学和太鼓サークル演奏
・佐渡鬼太鼓披露
・SanyTOMIダンススクール発表
・絵画コンクール表彰
・広澤里枝子(ひろさわりえこ)さんによる瞽女歌(ごぜうた)披露
・佐渡「金の道」事業
▽海野宿ふれあい祭り 臨時シャトルバス運行
11月2日(日)に限り、田中駅発、東御市役所経由、海野宿第一駐車場行きの無料シャトルバスを運行します。海野宿近隣の無料駐車場は例年、大変混雑しますので、ぜひご利用ください。
※本紙をご覧ください。
運行時間の詳細は信州とうみ観光協会のホームページをご覧ください。
問い合わせ先:商工観光課 観光係
【電話】64-5895