文化 おらが村の足跡(121)

■縄文人の暮らしと石器
今回ご紹介するのは、現在八ヶ岳美術館にて開催中の3館共同企画展『JOMON IS ROCK―縄文人の暮らしと石器―』にちなんで、縄文時代の石の道具たち。
普段は芸術的な縄文土器のイメージに隠れがちな石器ですが、石材、用途、製作技法等々、一見しただけではわからない、たくさんの情報と魅力が詰まった今展の主役。縄文人がその手で作り、使った石の道具たちに、ぜひ会いに来てください。

■縄文の石器といえば?
石器と聞いてまずイメージするのは、どんな石器でしょうか。やはり黒曜石の石鏃(矢じり)か、あるいは歴史の教科書でよく見る打製石斧や石皿かもしれません。金属がなかった縄文時代、現代では当たり前にある道具(例えばシャベルや斧、包丁など)の役割を担ったのは石の道具。その石器を作る道具もまた石器です(動物の骨や木製の道具もたくさんあったはずですが、通常の環境では土に還ってしまうため、現代まで残る事例は非常に稀です)。

■道具を見れば、暮らしが見える
例えば写真の資料は、「打製石斧」と呼ばれる石器。文字通り打撃を加えて加工した石製の斧…ではなく、シャベルやスコップのように“土掘り具”として使われたと考えられています。こうした道具の出土量増加を縄文時代の植物栽培の開始、活発化と結び付け、その根拠とする学説も有名です。このように長い年月で殆どの動植物素材が失われてしまう中、石器は縄文時代を解明するうえで重要な手掛かりです。

■3館共同企画展を開催中!
そんな石器が主役の3館共同企画展ですが、今年も11月24日(月祝)まで開催中!詳しくは左ページをご覧ください。
役場1階ロビーにも村内出土品を展示しておりますので、お越しの際は、ぜひご覧ください。

問合せ:生涯学習課 文化財係
【電話(直通)】79-7930