くらし 《特集》ひろがるチームオレンジの「輪」

■住み慣れた地域で仲間とともに 自分らしく暮らせる箕輪町を目指して

◆「認知症になると何もできない」と思い込んでいませんか?
認知症であっても、人と繋がりを持ち、地域の中で活動していくことは可能です。
チームオレンジとは、「認知症の人が閉じこもらずに、なじみの仲間となじみの場所で、やりたいことを続けることができる」ための支え合いの取り組みです。その1つ「チームらんらん」をご紹介します。

病気や介護のことで1人で抱え込むことに悩んだ末、隠すのではなくオープンにすることで、やりたいことを「自分で決めて」「楽しむことにチャレンジ」し、地域の一員として活動する、伊藤さん親子にお話を伺いました。

▽伊藤優子さん
私たち親子にとって、認知症の世界は未知であり、つらいこともあります。でも、そこに共感できる人に出会えたことは、私にとって大きな宝物です。
外に出ずに家にいることが多かった母がデイサービスに行き、「今日楽しかったよ」と言ってくれるのが嬉しいし、ここに参加するようになってとても前向きになり明るくなりました。
母の好きなことを続けるために、外に出かける機会を作るために、母の介護のつもりで、自分も関わり始めたことだけれど、いつの間にか自分も楽しんでいます。
認知症の方が閉じこもらず人との関わりを続けられるように、横の繋がりができると心強いと思います。

▽伊藤俊子さん
元々裁縫の仕事をしていて裁縫が好きなので、大変だと思うことはありません。家でも外出先にも材料を持っていくほど、作るのが楽しいです。
思ったことを言葉にできないことがあり、認知症が進んでるなと感じます。
人と話しながら好きな裁縫ができるので、カレンダーにはチームらんらんの予定を書き入れて、毎月みんなと会えるのを楽しみにしています。
自分たちの作品が皆さんの手元に届くのが楽しみです。

■認知症である方の一人ひとりの「できる」を、共に形に!
・私は細かな作業は手を借りるけど、分かりやすく教えてもらえば、自分でペットボタルを作ることができます。
・私は元々小学校で算数を教えていました。今は、夏休みの寺子屋で子どもたちに宿題を教えています。
・私は昔から体を動かすことが好きです。できるだけ長く自分の足で歩くことができるように、孫と一緒に夏休みのラジオ体操に参加しています。
・私と夫は、孫や長男夫婦と過ごす時間をとても楽しみにしています。家族は、認知症と向き合う私を何もできないと思うのではなく、いま私にできることを応援してくれています。
・私は若いころから地域の仲間と大正を習ってきました。今でも仲間に声をかけてもらって出かけて大正琴を演奏しています。楽しいです。
・私が体調を崩した時に困らないように、普段から病院の先生や看護師さんに相談したり介護を受けながら、健やかに過ごしています。

箕輪町の人口構成から、これから85歳以上の高齢者層が急増し、伴って認知症状のある人が地域で増えていきます。(国勢調査結果より)
認知症になっても変わらず、尊重される、なじみの地域でなじみの人と暮らし続けられる箕輪町をみんなで作っていきましょう。

※詳しくは本紙をご覧ください。

箕輪町地域包括支援センター