子育て No.144 シリーズ 教育の窓 地域とともに育む未来 久田見小学校

■「○○○○、やってみよっ!」を合い言葉に
八百津町の豊かな自然に囲まれた久田見小学校は、全校児童数36名の小規模校です。この少人数という規模を生かして、一人ひとりの個に応じた、丁寧な教育に取り組んでいます。
今年の教育の柱となるのが、学校長のスローガン「○○○○、やってみよっ!」です。この言葉は、子どもたちに「まず挑戦することの大切さ」を伝え、失敗を恐れず新しいことに取り組む姿勢を育む指針となっています。

■地域の「人・もの・こと」との関わりを基盤とした学び
本校は、地域の「人・もの・こと」との関わりを通して学ぶ「ふるさと教育」を大切にしています。各学年が発達の段階に応じてテーマを設定し、「わがふるさと久田見・福地」のよさを体感し、そこで生きる人々の思いや、地域の自然・文化・産業について学んでいます。
1・2年生は、「久田見のじまんを見つけよう」をテーマにしています。
昨年度は、東部デイサービス、スクーデリステラを訪問し、どんな場所なのかを調べました。また、東部デイサービスを利用している方に喜んでほしいと歌を聞いてもらいました。その活動を通して、人に喜んでもらえることの嬉しさを体感しました。
6年生は久田見祭りを核として「久田見の歴史文化を学ぼう」をテーマにしています。まずは祭り保存会の方に祭りを継続していく上での課題を教えてもらいました。また、祭りのお囃子を奏でる篠笛づくりを通して、祭りを支える人の思いにもふれました。その上で、久田見祭りを継続するために自分たちができることは、その魅力を、支えている人の思いを発信することだと考え、CCnetを通じて自分たちの思いを伝えました。久田見祭りがいつまでも引き継がれてほしいという願いを込めて。
このように、地域の人々との関わりを通して、そこに従事する方々の思いを知ったり、その人の生き方へのあこがれを抱いたりして、ふるさとへの愛着を育んでいます。そして、「自分たちも地域をよりよくすることができるかもしれない」という思いをもち、自分の生き方を見つめる学びを全校で積み上げています。
今、本校では、令和8年度のへき地・複式教育全国大会に向けて準備を進めています。この大会では、全国の教育関係者に、地域との連携を活かした学びの成果を発表し、本校の特色ある教育活動を広く伝えていきます。

■トランペット鼓隊の魅力
今年でトランペット鼓隊も52年を迎えます。総勢36人のうち、鼓隊に属するのは3~6年生の24名。3年生はソプラノリコーダーよりも先に、コルネットという楽器で演奏します。わずか3つしかないピストンを指で押さえ、息の強弱を調整しながらさまざまな音を奏でます。2年生の三学期から取り組みますが、当初は、ドレミの音を出すことも至難の業。しかし、「伝統」として位置付けられた練習の時間を有効に使ったり、休日には家での自主練習をしたりしています。
限られた人数ですが、運動会や八百津町音楽交流会では、力強い演奏を披露し、多くの人の心を動かしています。

■地域ボランティアに支えられて
久田見小学校では、見守りボランティアをはじめとして、多くの保護者や地域の方々が、子どもたちの安全教育や学校行事に主体的に参加してくださいます。また、学校運営協議会の委員の方や地域講師の方など、子どもたちのよりよい教育活動のためにと、さまざまな場面で協力してくださいます。
今年は、6年ぶりに「見行山登山」を実施しました。その際にボランティアを募ったところ、平日にもかかわらず、多くの保護者の方が安全に活動できるようにと、児童と共に山に登ってくださいました。このように、多くの方に温かく見守っていただいていることが、子どもたちの豊かな心の基盤であると実感しています。

最後になりましたが、「○○○○、やってみよっ!」の精神が、子どもたちが夢を追いかける力となり、未来を担う基盤を創っていけるよう、職員が一丸となって教育活動に取り組んでまいります。