くらし 令和7年新年のごあいさつ(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県熱海市
- 広報紙名 : 広報あたみ 2025年1月号
■熱海市長
齊藤 栄
◆広域防災対策の強化と熱海観光のさらなる進化
明けましておめでとうございます。市民の皆様におかれましては、清々しく新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、市内においては、若い人を中心に多くの観光客にお越しいただき、また、新たな旅館・ホテル、飲食店などの開業や出店が進むなど、コロナ禍からの復活を印象付ける1年でありました。一方で、全国的には、地震や台風などの自然災害の影響が大きい1年でもありました。
特に、昨年1月1日に能登半島地震が発生し、道路の寸断や集落の孤立化などを目の当たりにして、同じく半島にある自治体として大きな危機感を持ちました。さらに8月には、南海トラフ地震臨時情報が初めて出され、同規模の地震が発生すれば単独の市町では対応できず、広域で対応する必要性を強く感じました。このため、伊豆半島の7市6町で構成する市町長会議において、伊豆半島内の広域にわたる防災課題について協議し、相互に連携・協働して取り組むことで、広域的な避難や早期復旧を図ることを目的とした「伊豆半島広域防災協議会」を設立したところです。
また、市内に目を向けますと、8月末の台風10号では、72時間雨量が観測史上最多の654mmを記録し、市内各地で被害が発生しました。中でも、火葬場に大量の土砂が流れ込み、幸いにも人的被害はありませんでしたが、当面の間、使用できない状況となっております。
伊豆山被災地域の復旧・復興につきましては、被災エリアの地区別説明会、町内会別説明会などを通して、地域の皆様からのご意見、ご要望などに耳を傾けてまいりました。被災された方々が、現地に戻り生活を再開させるために必要な河川・道路の整備についても、昨年10月に岸谷2号線が仮開通するなど、着実に復旧・復興の歩みを進めております。引き続き、河川・道路の整備、消防団第4分団詰所、(仮称)伊豆山地区コミュニティ防災センターの整備などを進めてまいります。
そして、昨年は、観光振興のための新たな仕組みづくりが具体化してきた年でした。昨年の市議会2月定例会において、「宿泊税」の条例が可決されるとともに、年末までに、観光振興の指令塔となる「熱海観光局」の責任者(専門人材)が全国公募により選任されました。今後、「宿泊税」を財源とした「熱海観光局」の始動により、観光プロモーションや観光施設の整備など、観光地経営の視点に立った観光地域づくりに取り組んでまいります。この仕組みは、全国で前例のない取り組みです。
新年におきましては、昨年の動きを踏まえ、市民の皆様ならびに観光客の防災対策を強化するとともに、熱海観光のさらなる活性化に取り組んでまいります。また、伊豆山被災地域の復興のさらなる加速化とともに、子育て支援、高齢者福祉、環境などの分野に関する施策の充実を図り、「熱海に住んで良かった」「熱海に移り住みたい」と思っていただけるまちづくりを進めてまいります。
市民の皆様におかれましては、市政に対するご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。新年が市民の皆様、そして熱海市にとりまして素晴らしい年になることを祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。