- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県熱海市
- 広報紙名 : 広報あたみ 2025年1月号
熱海駅の開業から100年を迎えるにあたり、本市と熱海駅がともに大きな発展を遂げた軌跡を振り返り、駅が地域社会にどのように貢献し、ともに発展していくのか、JR東日本熱海駅の荒屋駅長を迎え、市長とさまざまな視点から語ってもらいました。
・熱海市長 齊藤 栄
・JR東日本熱海駅 荒屋 祐佳利 駅長
◆熱海駅100年の歴史を振り返る
市長:熱海駅開業から100周年おめでとうございます。荒屋駅長は、熱海駅開業に至るまでの背景についてどう思いますか?
荒屋駅長:熱海駅の開業は大正14年と記録があります。それ以前から鉄道を引くことを考えられていたようで、当初、人車鉄道や軽便鉄道などの計画もあったようです。鉄道を引くことで、町が発展するという強い希望があったのだと感じています。熱海駅開業の際には、多くの人々が集まり、花火もあげたと聞いています。町全体が熱海駅の誕生を祝っていたんですね。100周年の企画中、開業当時の話を聞くたびに、皆さま生き生きと話してくれるので、人々の喜びは今でも残っているのだと感じました。
市長:その熱気は、当時の記録や写真にも表れています。例えば、当日のセレモニーには多くの人が集まり、みこしや山車も出ていました。その様子から、鉄道は熱海の人々にとって特別な意味を持っていたのだと強く感じました。
荒屋駅長:駅ができたことで、宿泊施設や別荘が急増し、観光客が約20倍にも増えたという資料もあります。
市長:鉄道は、当時の日本近代化の象徴でした。当初計画されていた御殿場周りルートから熱海周りルートへ変更されたことで、熱海は交通の要衝となりました。そのおかげで、全国から観光客が訪れ、熱海の町も一層栄えました。
荒屋駅長:丹那トンネルの工事も大きな課題があったようですが、無事に開通できたことで、多くの人が訪れるようになり、今このように熱海の町がにぎわいを見せているのだと思います。
市長:今でも駅周辺は、坂の傾斜など当時の名残がありますね。また、戦争や災害を経て、開業当時の建物の一部が先代の駅舎に残っていたことは特筆すべきことです。映像や写真は、その時代の雰囲気を伝えてくれる重要な資料です。歴史を振り返ることで、熱海の発展がどう進んできたかがわかりますね。
荒屋駅長:まさに、熱海の駅が地域のシンボルとなり、駅の発展とともに町も成長してきたのですね。これからも、その歴史を大切にしていきたいです。
市長:私たちも熱海駅の歴史を、次の世代に受け継いでいく責任があります。100年という節目を迎え、これからの熱海の発展に向けて、市民そして関係者、皆で力を合わせていきたいです。
荒屋駅長:歴史を知ることは、未来を見据える上で非常に重要です。これからも熱海の魅力を発信し続けていきたいです。