- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県熱海市
- 広報紙名 : 広報あたみ 2025年3月号
■熱海駅開業100周年
熱海市長 齊藤 栄
令和7年3月25日、熱海駅は開業100周年を迎えます。「熱海の発展は鉄道の発展と共にあり!」これは私が常々感じていることですが、鉄道と熱海の発展の歴史を振り返ってみればまさにその通りです。
まず熱海と小田原の間で、明治29年に人が客車を押す人車鉄道が、明治40年に蒸気機関で動く軽便鉄道が開通しました。そして100年前の大正14年に国鉄熱海線(国府津・熱海間)が開通し、熱海駅が現在の位置に誕生しました。昭和9年に丹那トンネルが開通し、東京からに加え関西方面からもお客様を迎えられるようになりました。さらに、東京オリンピック開催の昭和39年に東海道新幹線が熱海駅に停車。このように熱海は鉄道が発展するたびにより多くの来遊客を集め、全国有数の温泉観光地として発展してきました。
このような鉄道と熱海の発展の中で特に注目すべきは、昭和9年の丹那トンネルの開通です。それまでの東海道線のルートは箱根越えといわれるものでしたが、高低差が大きいために、大量の人とモノを速やかに運ぶことができませんでした。時の鉄道院総裁、後藤新平が大土木事業となる新路線の調査を命じ、数々の困難と16年に及ぶ難工事を経て丹那トンネルが完成。東海道線のルートが御殿場経由から熱海経由に替わることで、現在の日本列島の大動脈が誕生したのです。
熱海駅100周年の日には、こうした先人の偉業に感謝するとともに、熱海発展の歴史に思いを馳せようではありませんか。