くらし まちづくりレポート vol.3 おいしい富士宮

富士山麓の豊かな自然環境に恵まれる富士宮市では、古くから酒造りが盛んに行われており、醸造所の数は県内でもトップクラスです。
生まれ育った地元での酒造りにこだわりながら、「おいしいまちづくり」に取り組む日本酒とビールの生産者を紹介します。

■上野の里の酒造り
牧野酒造合資会社
代表 牧野利一さん
1743(寛保3)年創業。280年以上の歴史ある酒蔵の第9代目当主として、生まれ育った上野地区で酒造りをしています。
日時:平日 9:00~16:00
場所:下条1037

◇上野を味わう
100年以上の間、日本四大杜氏の一つと言われる石川県の「能登杜氏※」が富士山の伏流水を使って丹念に日本酒を仕込んでいます。
40年程前に商標登録した「富士山」や「白糸」など、富士宮にちなんだ銘柄が多くあります。
上野地区や市内で生産された酒米を100%使った純米吟醸酒誉富士「富士山」は、フルーティーで微かな甘みがあるのが特徴です。
※石川県能登で磨いた伝統的な技で酒造りをする技能集団

◇さくやちゃんを使って
定番商品のほか、市イメージキャラクター「富士宮市さくやちゃん」イラストコンクールの受賞作品などもラベルに取り入れています。
受賞者からは、「描いた作品が商品化され、店頭で販売されているのを見たとき感動した」「さくやちゃんの商品で富士宮の魅力が多くの人に伝わってほしい」などの声が届いています。

◇世界へ向けて
現在、代表銘柄「富士山(Mt.Fuji)」を中心に、スペインやオーストラリア、台湾、香港、シンガポールなど、世界各国へ輸出しています。
2024年12月に、こうじ菌を使った日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたこともあり、海外での日本酒の人気はさらに高まることが期待されます。
今後も、富士山の麓で醸造した日本酒を通じて、富士山や富士宮市の魅力を世界へ向けて発信していきたいです。

問合せ:【電話】58-1188

■柚野の里の酒造り
(株)FARMENT(フジヤマハンターズビール・ジビエ)
代表取締役 深澤道男さん
生まれ育った柚野地区に、2018年5月にクラフトビール醸造所をオープン。併設のテイスティングルームでは、試飲や量り売り、ボトル販売などを行っています。
日時:土・日曜日 13:00~18:00
場所:大鹿窪1428-1

◇柚野を味わう
ビールの原料となる大麦やホップ、米、大豆を自ら栽培しています。仕込み水には、富士山の伏流水を利用し、柚野地区で採れる柚子や蜂蜜、山椒、ヒノキの間伐材などの素材を使って、さまざまな種類のビールを醸造しています。
今後も、富士宮のおいしい素材を積極的に取り入れて商品を開発するなど、富士山麓の恵まれた環境で地産地消できる喜びを多くの人に伝えていきたいです。

◇柚野を守る
柚野地区の里山には、鹿や猪などの野生動物が生息しているため、毎年、農作物や樹木が食い荒らされる被害が発生しています。
年々深刻化する田畑や森林の荒廃を防ぐために、2011年に狩猟免許を取得し、毎年50頭程の野生動物を捕獲しています。
捕獲した野生動物の命を無駄にしないために、2024年11月に醸造所の隣に解体処理施設「山歌」をつくり、新鮮なまま精肉に加工するなど、全ての部位を余すことなく利用しています。
柚野の恵みや命に感謝しながら、地元の食材と組み合わせたジビエ料理をビールと一緒に提供しています。
[ジビエ料理提供]
浅間大社タップルーム
日時:
・金(17:00~23:00)
・土(13:00~23:00)
・日(13:00~20:00)
場所:宮町12-2いちふくコーポ1F

問合せ:【電話】66-0399

問合せ:食のまち推進室
【電話】22-1691
【FAX】22-1207