- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県富士宮市
- 広報紙名 : 広報ふじのみや (令和7年9月号)
「好き」を原動力に踏み出す一歩!
高1の僕が、はじめてイベント企画してみた話
この特集誌面は、翔太郎くんと一緒にイベントを開催したわたし「永澤イサ」が、若者の目線で広報課と一緒に作成しました。まさに今どきの若者である翔太郎くん自身の言葉で、イベント開催までの想いを語ってもらいました。
[登場人物(1)]翔太郎
富士宮市出身の高校1年生。好きなものはファッション。モテたくておしゃれをし始めたら、のめり込んでしまった!今回の主人公!
[登場人物(2)]永澤イサ
京都の大学に通いながら、デザイナーとしても活動。ファッションが大好き!「地域おこし協力隊インターン生」として、6~8月の間で活動。今回紹介するイベント企画のほか、富士宮のお土産品やふるさと納税活用事業のロゴ制作にも携わる。
■Chapter 1 CHILL INとイサさんとの出会い
初めまして、僕は富士宮市内の通信高校に通う、1年生の翔太郎です。高校に通うのは週2回で、それ以外の日は、古着屋に行ったり、家でのんびり過ごしたりと漠然と毎日を過ごしていました。
そんな僕が、ある時信頼している知り合いの先生に教えてもらったのが「チリン」でした。正直、最初に聞いた時にはどんなところか全然イメージができなかったけど、訪れてみてびっくりしました。ここは学校と全然違うんです。学校だと、周りに合わせて自分を抑えつけてしまうことが多いけど、チリンでは、自分の好きなファッションを制限されることもなく、ありのままを出せる。まさに僕にとって新しい居場所でした。気付けば、僕はチリンに通うようになっていました。
(?)駅前チャレンジハウスCHILL IN(チリン)
若者が、自身の夢に向かって一歩踏み出し、チャレンジする機会を作るためのコミュニティスペース
◇イサさんとの偶然の出会い、そして一緒にイベントをやることに?!
チリンに通い始めてしばらく経った頃、大きな出会いがありました。デザインが得意で、しかもファッションが好きという大学生がチリンに来たんです!それが地域おこし協力隊インターン生の永澤イサさんでした。イサさんが「インターンの一環でファッションイベントをやりたい」と言い出して、しかも、「一緒にやらない?」と誘ってくれたんです。正直、びっくりしました。
初めは本当に実現するのかな?と思ったし、実際に準備や企画が動き出した時にもうまくいくか不安な感情がありました。でも「本当に一緒にやってくれるんだ!」ってわかったことが、嬉しかったし、ワクワクが収まらない自分がいました。
■Chapter 2 イベント開催までの道のり
イサさんは、地元の関西でもイベントを企画したことがあって、その時の、ファッションを通して人同士が繋がり、みんなが楽しんでいた雰囲気が忘れられないそうです。だから、富士宮でも若者が盛り上がれる場所を作るためにイベントをやりたい!と語ってくれました。
僕自身は、「みんなにもっとファッションを知ってほしい」「おしゃれをもっと楽しんでほしい」という思いがあり、お互いの理想の雰囲気を目指して、イベントの企画がスタートしました。
◇タイトルは、「FujiFashionDay」 コンセプトは、「ファッションを通じて富士宮からZ世代を盛り上げる!」
タイトルやコンセプトはイサさんと一緒に話しながら決めました。イサさんは、Tシャツやキャップにスプレーでアートを施すスプレーペイントリメイクの体験ブース、僕は自分でセレクトした古着を販売することにしました。イベントの準備をしている時に、さらにびっくりしたことがあって、イサさんが、京都と東京でハンドメイドアクセサリーを作っている大学生や社会人の友達3人を招いて、一緒に出展してくれることになったんです。普通に過ごしていたら関われない人と出会えることが、新鮮で、純粋に楽しみでした。
◇開催までの不安。大変だったのは、「お客さんを集める」こと
イベントの準備で一番大変だったこと、それは、企画を考えることでも、準備をすることでもなく、お客さんを集めることでした。僕もおしゃれ好きの友達はそんなに多くはないし、イサさんは富士宮に来てすぐで、知り合いも少なく、どうやってお客さんを集めるか、2人ともすごく悩んだし、考えました。
僕たちは、地道にチラシを配ることから始めました。「明日空いてる?チラシ配りにいこう!」、そんなイサさんの勢いに引っ張られ、静岡市の大学を周ったり、富士宮のイオンや市内の古着屋、セレクトショップにチラシを置いてもらうようお願いに行きました。また、SNSで告知したり、考えつく限りの方法で宣伝しました。イベント当日まで、お互いの使える時間をフル活用して、がむしゃらに行動しました。
でも、チラシをもらってくれなかったり、微妙な反応をされたこともあって、「こんな遠くまでチラシを配りに行って意味があるのか」「この人たちに本当に想いが伝わるのか」というもやもやもありました。それでも、ここまで必死に頑張れたのはイサさんがいてくれたからだし、挑戦し頑張ることは確かに楽しくて、今までにはない経験でした。
なんとなく、イベントがうまくいくような自信はありましたが、それでも、同時に「本当にみんな来てくれるのかな?」という不安も大きかったです。
イベント前日、京都と東京から駆けつけてくれた出展者の3人と始めて直接お会いしました。3人とも大人としての落ち着きがありながらも、自分らしさを全面に表現するファッションをしていて、僕は尊敬すると同時に緊張もしてしまいました。
でも、会ったばかりなのに優しく接してくれて、僕でもこんなに年上の人たちと仲良くなれるんだと気付かされました。緊張や不安もありましたが、この人たちとならやれる!と明日が楽しみな気持ちでいっぱいでした。