くらし オーガニックなまちをつくろう Vol・8

かつて掛川市は、アメリカに「オレゴン農場」という研修施設を所有し、当時の榛村市長の「21世紀は地球田舎人(いなかびと)たれ」という呼びかけのもと、多くの市民がこの研修に参加していました。私の初めての海外旅行も、このオレゴン研修でした。このオレゴン研修が私の有機農業の原点となっています。
オレゴン農場は72ヘクタールという広大な小麦畑を所有していたのですが、その畑は貸し出し、実際に取り組んでいたのはブルーベリーと野菜の有機栽培でした。後で知ったのですが、オレゴン州は「オーガニックの首都」とも呼ばれるほど有機農業が盛んな土地です。生産者がオーガニックの果物や野菜を直接販売するファーマーズマーケットは大盛況で、スーパーには有機農産物がたくさん並んでいました。もっとも、当時は「アメリカには変わった農業があるんだな」と思った程度でした。ただ、「生産者が売るからファーマーズマーケットである」、「オーガニックが〝正解〞というのではなく、選べる選択肢があることが大事」という考え方はとても新鮮でした。何より、有機農業者が楽しそうに農業に取り組み、オーガニックについて一生懸命に語る姿が心に残り、それが、10数年後の「有機農業をやってみよう」という決断につながっています。
この話を市内ですると、「私も学生のときに参加したオレゴン農場研修が、今の仕事を目指すきっかけでした」という方によく出会います。
元市長の掲げた「地球田舎人たれ」という夢が、少しずつ実現しているのかもしれません。
しあわせ野菜畑代表 大角昌巳

問合せ:オーガニックビレッジ推進協議会事務局
【電話】21-1216