くらし ー特集ー 特殊詐欺 (1)

世間を騒がす知能犯罪、「特殊詐欺」
特殊詐欺は英語で「Phone fraud(電話を使った詐欺)」と呼ばれ、その名の通り、被害者に電話を掛け対面することなく信頼させ、金銭をだまし取る犯罪行為などを指します。
オレオレ詐欺が代表的ですが、その他にも、預貯金詐欺・架空料金請求詐欺・還付金詐欺など多くの種類があり、その犯罪手口は時代と共に変化・高度化し、市内でも多くの被害をもたらしています。
特殊詐欺の被害に遭わないために必要なことは何か。
今回の特集では、特殊詐欺の代表的な手口や、実際に被害に遭った人の声、そして対策について紹介します。

問合せ:
・くらしの安全課
【電話】82-4123
・御殿場警察署
【電話】84-0110

◆特殊詐欺とは
古くは、電報や電話が登場した頃から、なりすましによる詐欺は確認されていました。
今で言う「特殊詐欺」が世間から注目を浴びるきっかけとなったのは、平成15年以降に相次いで発生した一連の詐欺事件です。
その事件は、電話口で「俺、俺」と身内を偽り、銀行口座に金を振り込ませるという特徴から、「オレオレ詐欺」と呼ばれ、多くの被害者を出したことから世間を震撼させました。

○手口の巧妙化
当初は詐欺を行う犯人が、専ら単独で子や孫を演じていましたが、後に「債権者」役の犯人も電話口に出て、「至急返済がなされなければ酷い目に遭わせる」などと脅すなど、複数人の犯人が共謀する手口がみられるようになりました。
また、最初の電話では金銭問題をあえて話題にしなかったり、綿密に練られた台本を準備した上で犯行を行ったりするなど、その手口は巧妙化していきました。
現在は、オレオレ詐欺のほかに、預貯金詐欺や還付金詐欺など、その手口は多様化し、これらは総称して「特殊詐欺」と呼ばれています。
特殊詐欺は全国で猛威をふるい、高齢者に限らず、若年層を含め多くの被害者を出し続けています。

《特殊詐欺発生件数の推移(全国)》

出典:令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(警察庁)

◆市内の被害状況
御殿場市は、東京・神奈川方面からの玄関口。
人の出入りが激しいため、御殿場警察署管内(御殿場市・小山町)を超えた広域的事件が多く、当然、特殊詐欺の実行犯が往来する頻度も多いと見られています。
近年では、管内でわずか4カ月の間に8件の被害が発生し、注意喚起のための警戒が発令されたこともありました。
令和6年には、管内の40代男性が二千万円をだまし取られるオレオレ詐欺事件が発生。身近でも、高齢者のみならず、若年・中年層の被害が確認されています。
また、実際に被害が発生したケースのほかに、詐欺電話が掛かってきた、という内容の通報は管内でほぼ毎日のように確認されており、ご自身にいつ詐欺電話が掛かってきてもおかしくない状況にあるといえます。

《市内の被害状況》
(令和5年・6年の合計の暫定値)
被害総額 7,404 万円


出典:御殿場警察署